孫の教育資金を「一括贈与」で渡すつもりでしたが、夫に「分けた方がよい」と言われました。非課税制度を利用すればお得なのではないでしょうか?
教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度は、教育資金を効率的に援助できるよう設けられた制度です。制度の利用で、贈与税の負担を軽減しながら子どもたちの未来を支えることが可能となります。 今回は、教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度の詳細および利用するメリット、注意点について調べてみました。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
教育資金一括贈与の贈与税非課税制度とは?
教育資金の一括贈与における贈与税の非課税制度は、祖父母や親など直系尊属から孫や子に教育資金を贈与する際、一定の条件のもと、一定額まで贈与税の非課税枠が設けられている制度です。この制度の利用により、贈与が最大1500万円まで非課税になります。贈与された資金は、教育関連の費用に充てられることが条件です。 通常、財産を贈与する場合は、年間110万円を超えた額には贈与税がかかります。しかし、直系尊属から一括贈与を受けた教育資金や住宅取得資金、結婚・子育て資金などにおいては、一定の要件を満たすことで税金が免除される(非課税制度)措置がとられています。 少子高齢化が進む日本において、教育費の負担は家庭にとって大きな課題です。一方で、高齢者世代(60、70代)の貯蓄額は一般的にその下の世代よりも多い傾向にあります。この非課税制度には、資産を次世代に受け渡し、教育の質を高めて人材育成を支援するという背景があるのです。 国税庁によれば、非課税制度を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。 ●贈与者は直系尊属(祖父母や親など)であること ●受贈者は30歳未満であり、教育資金としての使用が前提 ●金融機関で専用の口座を作り、申告書の提出などの手続きが必要 ●最大1500万円が非課税対象(学校等以外に支払う費用は500万円が限度) ●教育資金には、学費・入学金・教材費・留学費用などが含まれる
制度を利用するメリット
この制度の利用で、受贈者(教育資金を受け取る子や孫)への贈与に関して大幅な贈与税の軽減が可能です。利用すれば安心して教育資金を提供できるでしょう。 また、この制度によって長期的な教育資金の確保が可能となり、将来に向けた投資を計画的に行えます。とくに、大学進学や留学を考えている家庭にとっては大きなメリットです。 祖父母から孫へ贈与する場合、一世代飛ばして早期に資産を次世代に移転することで、将来発生する相続税の節税対策としても有効であるといえます。