<センバツ>智弁和歌山、伝統の強打は健在 コンパクトな振りで熊本西を仕留める
多少の劣勢ではびくともしない。智弁和歌山が序盤から看板の「強打」を発揮した。 1点を先取された直後の三回。1死から四球と安打で一、二塁とし、2番・西川がフルカウントから6球目を押っつけて右前に運んで追いつく。続く黒川も真ん中に入った5球目を引っ張って右前適時打。さらに東妻の適時内野安打などで一挙4点を奪って逆転に成功した。勢いづいた打線は四回も打者11人を送り込む攻撃で7点を加え、中盤までに試合を決めた。 【ダイジェスト動画はこちら】熊本西vs智弁和歌山 コースを丁寧に突く熊本西の先発右腕・霜上に対し、智弁和歌山打線は「ボール球を振らないこと」(主将の黒川)を心がけた。1巡目は霜上の球をじっくり見極める一方、甘い球は強振し圧力をかける。慎重な勝負を強いられた霜上がストライクを取りにいったところを、智弁打線はコンパクトな振りで仕留めた。 昨夏の甲子園の先発メンバー4人が残る。甲子園初采配を前に「僕が平常心を保てればチームはスムーズに動く」と話していた中谷監督。監督として甲子園通算最多68勝を挙げた高嶋仁さん(72)から引き継いだチームも伝統の強打は健在だった。【石川裕士】