【ルマン24時間・予選】『信じられない…』トヨタは不運に泣く…4番手・7号車の小林可夢偉、赤旗の原因を作り全タイムが抹消
WEC 第4戦 ルマン24時間 世界耐久選手権 予選 12日 サルトサーキット(フランス) トヨタガズーレーシング(TGR)が予選で不運に泣いた。前後の練習走行でトップタイムを記録した8号車は、担当したブレンドン・ハートレー(34)=ニュージーランド=がコース上の混雑に阻まれ、11番手止まり。4番手につけていた7号車の小林可夢偉(37)は最後のアタックでコースオフし赤旗の原因を作ったため、全タイム抹消。ともに上位8台で争う最終予選ハイパーポール進出を逃した。スタート順は後方に回ったが、クルマの仕上がりは上々。24時間の決勝で雪辱の大逆転を狙う。 信じられない光景だった。予選の最終アタックに繰り出した7号車の可夢偉が、残り約3分でコース終盤のカーティングコーナーでスピンを喫してコースオフ、グラベルにはまって身動きが取れなくなった。セッションは赤旗中断となり、そのまま終了となった。
4番手だった7号車は赤旗の原因を作ったとして、規定で全タイムが抹消(予選61番手)。確実だったハイパーポール進出を逃し、ハイパーカークラスの最後尾、23番手スタートが決まった。 一方の8号車も失速する。前後に行われた練習走行1、2回目で最速タイムを刻みながら、ハートレーが挑んだ大事な予選では、コース上の混雑に阻まれてタイムが伸びず。最後にはスピンも喫して11番手に終わった。 チーム代表を兼務する可夢偉は険しい表情を浮かべる。「うまくいかなかった。(クルマの)パフォーマンスという面ではとても良かったが、コースオフして赤旗中断を招いてしまった」。予想もしていなかった結果に唇をかみしめた。 8号車のハートレーも「この結果にがっかりだよ。最初のアタックでうまくいかず、その後は遅いクルマに引っかかり続けた」と渋い顔。クルマとしては練習走行で最速タイムを記録できる速さがありながら、運に見放された格好の予選になった。 ただ、GR010HYBRIDに施された今年のルマン向け性能調整は、大苦戦したシリーズ開幕3戦までと比べ、厳しくないもよう。ライバルに対してアドバンテージはないものの、9メーカーが参戦するハイパーカーの全23台が横一線に並んでいる感じだ。 可夢偉も、ルマン6連覇を阻まれた昨年の雪辱を諦めていない。「決勝は長い。最善を尽くす。クルマにはとても満足しているし、予選のラップタイムも競争力があった。週末は良い結果を残せると期待している」。自慢のチーム力も駆使し、クラス最後尾からの大逆転を思い描く。
中日スポーツ