富山湾の海底で「斜面崩壊」見つかる 能登半島地震発生から3分で津波到達した原因解明につながるか~海上保安庁
能登半島地震の際、わずか3分後に津波が観測された富山湾で海底の斜面崩壊がおきていたことが、海上保安庁の調査で分かりました。震源から離れているにもかかわらず津波が早く到達した原因の解明につながる可能性があります。 最大震度7を観測した能登半島地震では、震源から離れた富山市にある富山検潮所で、地震発生のわずか3分後の1日午後4時13分に津波の第1波が観測されています。 政府の地震調査委員会は、震源に近い石川県よりも早く津波が到達していることなどから、富山湾の津波が「断層のずれ」ではなく、「別の波源」である可能性を指摘していました。 海上保安庁は、富山湾の地形の変化を確認するため、今月15日から17日にかけて測量船「昭洋」による海底地形調査を行いました。 今回の調査で取得した水深データと、2010年に北陸地方整備局が調査したデータとを比較したところ、富山市の沖合およそ4キロ、水深300メートル前後にある海底谷の斜面が長さおよそ500メートル、幅およそ80メートルにわたって崩れ、最大で40メートル程度深くなっていることが分かったということです。 海上保安庁によりますと、今回確認された海底谷の斜面の崩壊は2010年以降に発生したものですが、1日の能登半島地震との関連は不明だとしています。 しかし、富山湾で津波を引き起こした原因の可能性もあるとして、来月の地震調査委員会に報告することにしています。