大谷翔平、ブーイング浴びせたNY黙らせる豪快弾…『2人の大谷』、走者ありで輝く男
◇16日(日本時間17日) 大リーグ ナ・リーグ優勝決定シリーズ メッツ0―8ドジャース(ニューヨーク) ◆大谷翔平、125メートル特大弾に山本由伸も“OMG”頭を抱える【動画】 その瞬間、静寂が訪れた。4点リードの8回1死一、二塁。ドジャースの大谷翔平は、救援右腕メギルの内角カットボールを逃さなかった。右翼ポール際のムーンショット。ベンチで見守った山本由伸も衝撃の一打にOMGの表情を浮かべた。「ちょっと高く上がった。ただ入るなとは思った。通過時点は内側だったし、本塁打だなと思った」。相手ベンチはリプレー検証を要求したが、判定は覆らず、確信のポストシーズン2号3ランだった。 試合前の選手紹介。「ショウヘイ・オータニ」のコールとともに、敵地ニューヨークのファンから強烈なブーイングを受けた。だが、大谷はどこかうれしそうにグラウンドに登場。自身も「ブー」と言って楽しんでいるようにも見えた。以前、ブーイングについて「嫌ではない」と語ったことがある。敵地での会心の一発に「連戦の初戦、何点とってもいい。そういう意味ではいい本塁打だった」と振り返った。 ポストシーズンは「2人の大谷」が存在するようだ。この日の4打席までは走者なしで打席に立って無安打。8回の得点圏では3ランと輝いた。ポストシーズンに入って走者なしで22打数無安打に対して、走者がいる場面では9打数7安打、打率7割7分8厘、2本塁打、8打点。得点圏では6打数5安打と、チャンスにめっぽう強い。 この話題を取り上げられるのも、スーパースターの宿命だろう。主砲のベッツは「なぜみんなが話題にしているのか、分からない。彼はフィールドで最高の選手だ。走者がいない場面で打っていないなんて、誰が気にするんだ」と一蹴。さらに、言葉に熱を帯びた。「彼が打席に入るたびに誰もが彼のことを知っていて、何かが起きると期待する。それが問題だね。彼は何度もすごいことをやってのけた。20打席、人間だっただけだ。それが大谷翔平だ」。 チームは敵地で大勝して2勝1敗とした。ワールドシリーズ進出まであと2勝。「今日の勢いを継続して、敵地だが、しっかりと自分たちの野球をできれば十分に勝利できる」。第4戦も、自らの一打でファンを沈黙させる。(阿部太郎)
中日スポーツ