週刊文春を装い大谷翔平の取材を持ちかける…警視庁が警告する「高額バイト詐欺」
文春編集部を装いメッセージが送られてくる
SNSを悪用した詐欺が止まらない。著名人の名を騙った投資や、恋愛感情を抱かせての支援など、数百万円から数千万円単位の高額な被害が相次いでおり、その手口は巧妙化。 【マンガ】山奥の駅で死にかけた19歳大学生が負った「ヤバすぎる」大ケガ また新たに出てきたのは、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平の取材アルバイト募集を偽った詐欺である。 ---------- 「収入を増やしたい方はこちら★日本国籍のみ★給与:日給50000円~80000円★勤務場所:アメリカ★年齢制限25歳以上★応募資格:性別不問★一時帰国できます(交通費補助)★仕事内容:有名週刊誌の取材補助(英語不要)大谷翔平の情報収集です。」 ---------- X(旧ツイッター)のメッセージ機能を利用して誘いをかけられたもので、5月中旬から複数の日本人ユーザーが受信したのを確認した。送信アカウントは中国名と思われる名前だが、「企業の募集を仲介しています」と言って、LINEアカウントに誘導していた。 6月1日、受信者の男性が言われたとおりにLINEに場を移すと、「文春編集者」なるアカウントが、「大谷翔平の取材をしていますので、アメリカに行って手伝いをしてほしいのです。今すぐに助けが必要なので、6月10日までに旅行準備をできますか」と言ってきた。 週刊文春の編集者を装っているようだが、これは当然ニセモノ。そこで「週刊文春の編集者ですか」と聞くと、「委託を受けている会社です」と微妙な回答。そして、「最初の仕事は6月11日から24日までロサンゼルスに行ってください。到着後にロサンゼルス支局のサイトウがご案内します。98万円の給与を仕事の最終日に渡します。その後に7月の仕事を依頼します」と指示してきた。 どんな仕事をするのか、という質問には「ロサンゼルスで大谷の人気を調査する。大谷の写真を撮る。水原一平の裁判の様子を見る。たくさんあります」と回答。 大谷から巨額の金を騙し取った元通訳の名を出すあたり、いかにも取材を装った風だが、最終的には「最初の航空費と宿泊費を払ってください。しかし、安心してください。これは仕事が終わったときに全額、返金します」と、渡航費とホテル代として合計34万円の立て替えを求めてきた。 「なぜ立て替えなきゃいけないのか」と聞くと、「仕事をしないでアメリカ旅行をしてしまう人がいるからです」と、もっともらしい理由を述べた。 その支払いは電子マネーを買わせる形で、詐欺を感じさせた。男性がこれを出し渋ると「では、半額の17万円の支払いで残りは給与から引きます」と譲歩してきた。