「障害があっても普通に働く」思いを込めたカフェ 特性に合わせたやり方で夢を見つけたダウン症の女性
ダウン症の当事者らが集まるイベントに参加しました。 それぞれが特技を披露する中、美帆さんはコーヒーをいれました。 【山中英偉人さん】「大丈夫、提供できる?」 【玉井美帆さん】「できます」 生き生きと輝ける仕事と出会った美帆さん。
一方、日本ダウン症協会などの調査によると、企業の障害者雇用枠で働いているのは約6%。ヒカルコーヒーのような一般就労はわずか2%で、半数が障害のある人の就労を支援する福祉作業所で働いているのが現実です。 イベント参加者の親たちに聞くと、それぞれ悩みを抱えています。 【ダウン症の娘(21)を持つ母親】「私がやっぱり死ぬじゃないですか、先に。自分でちゃんと生活を立てていってほしい。(決まった)時間に、ちゃんと行って、時間の間きちんとお仕事して、時間になったら帰るルーティーンが、なかなか身につかないタイプなので、お仕事できればいいなって思うけど、なかなか難しい」 【ダウン症の息子を持つ親】「知的(障害)の子たちの一般就労は現実問題、難しい。一回言って(頭に)入る子ではないことが多いので、(企業が)そこにどれだけ時間を使えるか」
■ダウン症の個別の特性に合わせたやり方で働くことが可能に
コーヒーをいれている時に、美帆さんが大きく背伸びをしました。 【野々村店長】「まだ気ぬくの早いで、仕事中やで」 【玉井美帆さん】「はーい、すみませーん」 記憶の定着が難しいことも多いダウン症。 ここにはその特性に合わせたやり方があります。
ヒカルコーヒーでは、注ぐお湯の量やドリップする時間を定めたレシピがあります。 何度も繰り返すことで覚えられるよう、1回の勤務時間を短くし、出勤回数を多くしました。 【山中英偉人さん】「自分の手の方にひいたらつくやん、なるべく逆の方向にひくようにして…」 ケーキ作りで、ボールの中のクリームチーズに苦戦する美帆さん。 山中さんが教えてくれたように、美帆さんがやってみます。 【山中英偉人さん】「そうそう上手上手」 スタッフはイラストを使って、その日教えたことをノートに記します。家でも振り返ることができるようにしています。 【玉井美帆さん】「野々村店長と山中さんと、一緒にお仕事をするのが楽しみで スイーツづくりやドリップコーヒーをお客さんに飲んでほしい」