【日本S】ソフトバンク・小久保監督 終戦危機もラッキーボーイ不要「メンバーを信じる」
DeNAとの日本シリーズで3連敗を喫し、後がなくなったソフトバンクは1日に第6戦の舞台となる敵地・横浜に移動した。 崖っぷちに追い込まれた最大の要因は本拠地3連戦でわずか1得点、26イニング連続無得点の打線だ。小久保裕紀監督(53)は「あのままいったらちょっと嫌な感じだった。この移動日は吉と出ると思っている」と前向きに捉えた。 とはいえ、停滞ムードを振り払うにはナインの底力が不可欠。まずは逆王手に持ち込むためにもラッキーボーイの出現も待たれるところだ。特に短期決戦では起爆剤となるような選手の登場は、相手に傾きかけたシリーズの流れをもう一度引き戻すことにもつながる。 しかし、指揮官は「今からラッキーボーイは求められないですよ」とキッパリ。「もう今年戦ってきたメンバーで信じて最後まで送り出す。それしかできることはない」と現有戦力と〝心中〟する構えだ。 今季は山川を全試合で4番に固定するなど、どんなに不振に陥っても軸がブレることはなかった。もちろん、自らの決断に人知れず迷ったこともあったという。眠りについた後に采配が夢に出てきたこともあったが、レギュラーシーズン終了まで信念を貫いてきた。 負ければ終わりだが、今さらジタバタしたところで仕方がない。就任1年目で91勝を挙げ、4年ぶりのリーグ制覇までたどり着いた選手たちを最後の最後まで信じるつもりだ。 「答えがない、分からないところに決断を下すのがトップの仕事。その結果がどっちに出るかは分からない。マイナスの結果だった時は責任を取ればいい。(決断を下した)あとはもう託すしかないし、信じるしかない」 最長でも残り2試合。4年ぶりの日本一へ最後の大勝負に挑む。
松岡直生