アニメ・アイドル・スポーツ「推し活」で静岡に来て! 県、アプリでキャンペーン積極展開 スタンプ集め限定グッズ
静岡県は、自分の好きなアニメやアイドルを応援する「推し活」の視点で県内への誘客を図ろうと、県公式観光アプリ「TIPS」を活用してさまざまなキャンペーンを展開している。アニメのモデルとなった地を巡ったり、対象の施設を利用したりすると限定グッズなどがもらえる仕組み。アニメやアイドル、スポーツチームなどの熱心なファンをターゲットに、経済活性化につなげる。 「まだ2カ所目。全部は難しいけど、また静岡に来てスタンプを集めたい」。11月上旬、神奈川県平塚市の会社員猿橋蔵門さん(31)と坂井聖一郎さん(33)は富士市の富士川楽座を訪れ、アニメ「ゆるキャン△」の県内ゆかりの地を巡るデジタルスタンプラリーのスタンプを獲得した。富士宮市でキャンプを楽しんだ後に立ち寄った観光施設でラリーのことを知り、予定を変更して県内滞在時間を延ばしたという。 同アニメのスタンプラリーでは県内40カ所にスポットを設置し、集めたスタンプの数に応じて県の特産品やアニメの限定グッズが当たる抽選に応募できる。10月11日の開始から約1カ月で県外、海外も含め約4200人が参加している。アニメファンの本県来訪のきっかけになり、SNSでは既に全40カ所を回ったと報告する人も少なくない。 富士山静岡空港(牧之原市)ではアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子さん(浜松市出身)とのコラボレーション企画が始まった。国内線か国際線を利用し、スタンプを集めると、百田さんのオリジナルクリアファイルがもらえる。第1期(11月8日~12月7日)と第2期(2025年1月15日~2月14日)でファイルは5種を作成。県空港振興課の担当者は「コンプリートを目指してぜひ空港を利用してほしい」と期待を込める。 県内でプロスポーツ観戦し、宿泊する人を対象に、提携店舗で使える5千円分のTIPSポイントを付与する企画も2月28日まで開催中だ。県観光振興課の担当者は「今後も『推し活』に着目した誘客施策を集中的に行い、県内での飲食や宿泊につながる仕掛けを考えたい」と意欲を示した。 ▪若い女性中心、3人に1人が「推し」がいると自認 博報堂とグループ会社のSIGNING(サイニング)が今年2月にまとめた「オシノミクスレポート」によると、日本人の3人に1人が「推し」がいると自認している。特に若い女性に推しがいる人が多い。 学校や仕事ではない自由に使える時間のうち、推しの動画やSNSを見るなど「推し活」に費やす時間の割合は平均38・8%。可処分所得のうち、グッズ購入やイベント参加費など推し活に充てる額の割合は平均37・4%だった。 10代の若者ほど時間、所得ともに推しに費やす量が多く、特に10代女性は5割を超えた。最も少ない60代も男性で2割、女性で3割近くが推し活に時間とお金を使っている。 調査は昨年8月、10~69歳の男女計1380人を対象にウェブ上で実施した。
静岡新聞社