大谷翔平「50-50」緻密さのたまもの「ラインの太さが」三塁線とホーム延長線上にバット置き確認
<マーリンズ4-20ドジャース>◇19日(日本時間20日)◇ローンデポパーク ドジャース大谷翔平投手(30)は万全の状態管理と緻密さで「50-50」に到達した。打って、走り、両方で前人未到の歴史を刻むには、まず健康第一。日々、睡眠の質を管理し、どれほど体がリカバリーできているかまでチェックしている。状態をキープした上で、打撃と走塁の両面で緻密な作業を継続。故障しない頑丈な体と、明確な意図のルーティンが歴史的快挙につながった。【取材・構成=斎藤庸裕】 【動画】カンパーイ!大谷翔平偉業の試合後、シャンパンでお祝いするドジャースナイン ◇ ◇ ◇ 大谷はこの日も毎打席、三塁線とホームベースの延長線上にバットを置き、立ち位置を確認した。6月中旬から取り入れ、今季の打者大谷を支えた新ルーティンだ。「球場によって(バッターボックスの)ラインの太さが違ったりするので。そこで多少ズレることがないように」と、最も重視する構えの段階で安定感を保つのが狙いだった。 昨年までの本拠地エンゼルスタジアムを含め、各球場で白線の太さは4インチ(約10センチ)に統一されているが、本拠地ドジャースタジアムは1インチ(約2・5センチ)と極端に細い。7・5センチの差がある上に、ホームゲームは裏の攻撃となるため、白線はほぼ消えかかっている。また、大谷が調整を行う試合前の室内ケージは白線の太さが4インチ。ここでも誤差がある。約20年前、ド軍の二塁手が打球と白線が白色で重なり、守備で見づらいと主張したことで、試合では極細になったという。 シーズン162試合の半分で当然、本拠地の試合が最も多い。今季51本塁打のうち、26本を稼いだ。立ち位置が不安定になれば、致命的になりかねなかった。わずかな違いに気付き、自らのアイデアでホームアドバンテージを生み出した。 一方、盗塁では二塁ベースの右端、捕手からの送球を捕球した遊撃手や二塁手から最も遠い位置にスライディングしているのが目立つ。マカッロー一塁コーチは「今年、ルールとして内野手はベースの手前でブロックができなくなった。だから、タッチするまで遠く、時間がかかる」と証言。その上で「安定して(ベースの端にスライディング)するのは技術が必要で、間違いなく意図的」と語った。 紙一重の意識で、打撃も、盗塁もパフォーマンスは変わる。「50-50」の達成は、大谷が心がける緻密さのたまものだった。