「雨に打たれて…」INI木村柾哉が初主演映画で体験した人生初の出来事
切実に、「こんな親友が欲しい!」
――さて、『あたしの! 』は映画のジャンルとしてはラブコメだが、友情についても、主要キャラクター4人の感情の変化が丁寧に描かれている。直己の親友は、山中柔太朗さん演じるクールなイケメンの成田、あこ子にも、幼馴染みで正反対のキャラクターの充希という親友が。登場人物4人が、それぞれに自分や相手を尊重し合う過程は、切なくもスリリングだ。木村さんは、女の友情と男の友情に違いを感じることはあるのだろうか? 女性同士だと、仲が深まれば深まるほど、会話のテーマが増えていく。逆に男性は、減っていくというか……言葉数が少なくなっていく印象があります。そこが逆だなと感じます。男同士だと、話さない方が居心地はいいんですけど、女性の場合は、共感ポイントを増やしていくことが居心地の良さに繋がるのかな? とか。あくまで僕の印象ですが、そういうところはある気がします。 直己と成田の関係も、直己の家に4人で集まったとき、成田だけ残って後片付けをするシーンがあるんですよ。そこで成田が、それまで見られてなかった直己の顔が見られて、親のように安心するんですが、成田の直己への愛が伝わってきて、僕もすごく好きな場面です。成田が女子だったら間違いなくくっついてますし、実際に僕もこんな親友が欲しいです! こんなに自分のことを好きでいてくれて、表面には見せていない深い部分まで理解して、気にかけてくれていて、周囲の関係性をいい方向に持っていってくれる親友。成田最高です(笑)。
お芝居の「正解のわからない面白さ」
――実際にはそこまでディープな関係の親友はいないという木村さん。INIのメンバーの中で成田に近い人を尋ねると、少し考えてから「(田島)将吾と(尾崎)匠海ですかね」と照れくさそうに答えた。では、木村さんが考える親友の定義とは? 言葉では説明しづらいんですが、何よりも“波長が合う”ことが大事なんじゃないかと思います。例えば、小さい頃からずっと一緒に過ごしていた幼馴染みが、社会人になって、全く違う道を歩んでいても、一緒にいて居心地が良かったらそれは親友と言っていいんじゃないかな。 10代の頃は、学校や部活があるから、共通の趣味や悩みなんかを通して一緒にいることが多いですよね。でも、そういうわかりやすい共通点がなくても、一緒にいたいと思えるなら波長が合うってこと。“波長”って、その人たちにしかわからないものだから、付き合っていく過程で、「自分はこいつのことめっちゃ大切に思ってるな」とか、答え合わせができるかもしれないですよね。