アウディが高性能SUV「RS Q8」の改良モデルを本国で発表。さらに走行性能を高めた「パフォーマンス」を追加設定
アウディはこのほど、改良を受けた「RS Q8」を発表した。改良モデルには、600ps/800Nmを発する4.0LV型8気筒ツインターボエンジンを積む「RS Q8」のほか、エンジンスペックを640ps/850Nmに高めた高性能版「RS Q8パフォーマンス」が新たに設定された。 【画像ギャラリー】アウディRS Q8/RS Q8パフォーマンス
「Q8シリーズのトップモデルは、パフォーマンスへの情熱、誇り、日常使用の適合性を組み合わせ、刺激的な体験を提供します」(アウディスポーツのマネージングディレクター、ロルフ・ミヒェル氏)
RS Q8の0-100km/h加速タイムは3.8秒。標準では電子制御により最高速度は250km/hとなるが、オプションで280km/h、さらに最大305 km/hに引き上げることが可能だ。一方、640psの出力と850Nmのトルクを持つRS Q8パフォーマンスの0-100km/h加速は3.6秒。この先進的な8気筒エンジンは、RS Q8の市販モデルのなかで最も高い出力を誇り、さらにアウディスポーツ史上、最も強力な市販ガソリンエンジンとなる。新開発の軽量エキゾーストシステムにより、RS Q8パフォーマンスの出力が向上し、よりスポーティで魅力的なサウンドが生みだされた。光沢のある黒いテールパイプが特徴であるオプションのRSスポーツエキゾーストシステムに換装すれば、さらに強烈なサウンド体験が味わえる。 アウディスポーツのマネージングディレクターであるロルフ・ミヒェル(Rolf Michl)氏は「新しいアウディRS Q8パフォーマンスとRS Q8は、スポーティさとエレガンスを体現しており、Q8シリーズのトップモデルは、パフォーマンスへの情熱、誇り、日常使用の適合性を組み合わせ、刺激的な体験を提供します」と述べている。 RS Q8の両モデルは、標準装備としてフルタイム四輪駆動システム「クワトロ」を8速AT(ティプトロニック)と組み合わせている。この完全機械式センターディファレンシャルは、そのコンパクトで軽量なデザインにより、エンジンパワーを前後の車軸に40:60の比率で分配する。スリップが発生した場合、駆動トルクの70%までを前輪に、85%までを後輪に伝えることができる。これにより、さらに正確なコーナリング、少ないアンダーステア、そしてより正確なターンインを実現する。 スポーティさと快適さの理想的なバランスを実現するため、両モデルには、RS専用にチューニングされたアダプティブエアサスペンションスポーツが標準装備されている。制御されたダンピングを備えるこのサスペンションは、両モデルの車高を最大90mmの範囲で可変する。 オプションとして、両モデルにおいて電動アクティブロールスタビライゼーション(eAWS)が選択できる。これにより、ボディ横方向の動きが大幅に最小限に抑えられる。ふたつに分かれたスタビライザーの間にコンパクトな電動モーターを配置し、両軸に接続したものだ。直進の際はふたつのスタビライザーが分かれ、凸凹した道での車体の動きを減少。そしてコーナリングの際には、電動モーターがスタビライザーを互いに逆方向に回転させ、横方向の傾きを顕著に減少させる。48VのリチウムイオンバッテリーがeAWSに電力を供給し、このコンパクトで軽量なエネルギーストレージユニットは、短時間で高電流を吸収および放出可能で、それぞれ最大1.5kWの電力を2基の電動モーターに供給する。 RS Q8のオプションであるダイナミックパッケージプラスは、さらに高いパフォーマンスを提供し、最高速度を305km/hに引き上げる。追加コンポーネントには、電動アクティブロールスタビライゼーション、「クワトロ」スポーツディファレンシャル、そしてRSセラミックブレーキシステム(RS Q8パフォーマンスでは標準装備)が含まれている。標準装備の後輪操舵システム「オールホイールステアリング」は、高トルクの電動スピンドルドライブにより、俊敏性と安定性に寄与。素早い車線変更時には、後輪が前輪とは同方向に最大1.5度回転。一方、低速時には後輪が前輪とは逆方向に最大5度回転し、それにより回転半径が縮小される。 内外装の特徴を見ていこう。新しいフロントエプロンは、際立つエアインテーク、特徴的なハニカム構造、ハイグロスブラックのブレード(RS Q8パフォーマンスはマットグレー)を備えており、RS Q8およびRS Q8パフォーマンスをシリーズのトップモデルとして明確に主張している。大型のシングルフレームグリルは、各ハニカムセルが3次元的にデザインされた新たなデザインのハニカム構造となっている。 リヤセクションも、これらのモデルをシリーズのトップに位置づける要素。2本の楕円形のテールパイプは、RSモデルで初めて取り入れた視覚的な特徴だ。開発を担当したアウディスポーツは、テールパイプの間にリフレクターでセンターが分割されたディフューザーを配置した。 RS Q8とRS Q8パフォーマンスの外観は、標準カラーの違いと多くの外装部品の素材の違いによって識別できる。RS Q8では、ドアミラー、フロントスポイラーエレメント、ウィンドウとリヤディフューザーのトリムはすべてブラックとなるが、RS Q8パフォーマンスでは、ドアミラー、フロントスポイラーエレメント、リヤディフューザーがマットグレーで、その他の装備はすべてハイグロスブラックとなる。RS Q8 パフォーマンス用の追加パッケージでは、先述のRS Q8の標準アイテムが、すべてマットカーボンまたはハイグロスブラックで提供される。 インテリアには、レッド、グレー、ブルーのRSデザインパッケージが用意されており、ブルーパッケージはRS Q8パフォーマンス専用だ。センターコンソールのブレード、フロアマット、ステアリングホイール、シートベルトのエッジには、レッドまたはグレーのコントラストステッチが施されている。ブルーRSデザインパッケージでは、シートベルト全体の色がオーシャンブルーであるのが特徴。ステアリングホイールはアルカンターラで覆われ、セレクターレバーノブとセンターコンソールのブレードの側面は、リサイクルされたPET繊維を使ったダイナミカマイクロファイバーで覆われている。 ハニカムステッチが施されたパーフォレーテッドスポーツシートにも、選択したパッケージカラーのコントラストステッチが施されている。両モデルの装飾インレイは、シルバーのライナーエンボス加工が施されたマットブラッシュドアルミニウム、アルミニウムレースアンスラサイト、マットカーボンツイル、グレーオークから選べる。RS Q8パフォーマンス専用のオプションとして、ダイアゴナルブラッシュドブラックアルミニウムも用意されている。
MotorFan編集部