斉藤由貴 来年2月に36年ぶり全国ツアー、歌手デビュー40周年、武部聡志氏迎え当時のアレンジで歌唱
女優の斉藤由貴(58)が、デビュー記念日の来年2月21日から歌手デビュー40周年を記念した全国ツアー(神奈川県民ホールほか7都市)を行うことが29日、分かった。「YUKI’s TOUR ONE・TWO」(1989年)以来36年ぶりのホールツアー。デビュー曲「卒業」から3年にわたり、全ての曲の編曲&プロデュースを手がけた武部聡志氏(67)を迎え、当時のアレンジのままにプレミアムな空間を届けていく。(加茂 伸太郎) 【写真】歌手デビュー当時と、40周年を迎える斉藤 36年ぶりのコンサートツアーが決まり、斉藤は「ものすごく久しぶりという感覚がなくて。『36年ぶり』と言われ、そんなにやっていなかったんだなという感じです」と驚きを口にした。 宮城から福岡まで7都市を回るが、「(日程表を)見れば見るほど不安しかないですね…」。それでも、ひと呼吸置くと「やると決めた以上は、絶対に成功させたいですね。来てくださった方に『あ~来て良かった~!』と思ってもらえるようにしたいです。変な頑張り方をするんじゃなくて、私らしく、私なりのやり方で楽しんでもらえたら」と誓った。 1985年に「卒業」で歌手デビューした。翌86年にNHK連続テレビ小説「はね駒」のヒロインを演じ、その年の紅白歌合戦に初出場した(紅組司会も担当)。「当時は楽曲の数が少なくて。50’S、60’Sのアメリカの英語の曲を足してみたり、邦楽のカバー曲を歌ってみたり。(ツアーを)作る側の言うがままに、後をくっついていった記憶があります」 ツアーの副題は「水辺の扉~Single Best Collection~」。「卒業」を始め、「白い炎」や「初戀」「情熱」などシングル曲を中心に、当時のアレンジで披露する。「武部さんと共に、というのが大きいですね。『由貴ちゃんの40周年、僕がやらなくて誰がやるの!』と、真っ先に手を挙げてくださって。背中を押してくれました。『武部聡志』という大船がいるわけですから、その上に乗ってこぎ出せば、何とかなる気がします」 斉藤は「私と同じように年齢を重ねて応援してくださった方、私の曲を好んで聴いてくださった方。その方たちに『青春時代、こんな日々を過ごしていたな』と懐かしく思ってもらったり、ベタですけど『年を取ったけど、頑張ろう!』と思ってもらうことが一つのテーマとしてあります」。昨今のシティーポップのブームにも触れ、「若い人たちが、私たち世代の曲を聴いて楽しんでくれているという話を聴く。あの時代にしか表せない空気感、楽曲の持つ独特の良さを味わっていただけたら。それは、もう一つの大事なテーマな気がしています」と話した。 キャリアを重ねるごとに、自身の音楽に対する比重は増している。「(音楽活動から)長く離れていた時期もあったのに、『もう一度やってみましょうよ』とお声かけをいただいて。最初の頃は及び腰で『歌はいいんじゃない?』『あの時は、アイドルとしてやっていたから』と言っていたのに、いつの間にか、歌のこと(=仕事)がすごく増えている。女優としての『表現』が届いた部分もあると思うけど、(それ以上に)いい曲、時を超えても残る素晴らしい曲を提供してもらったおかげかな」と感謝した。 「この年齢になると、自分の(生涯の)リミットを考えたりするわけです。そんな時、勇気を与えてくれるのが音楽や歌だったりする。3分、4分の短い時間の中で一曲一曲が醸し出す、夢や切なさを感じてほしいです」 〇…40周年を控え、斉藤は思い入れの強い楽曲に「AXIA~かなしいことり~」(85年のアルバム「AXIA」収録曲)を挙げた。「一番は『卒業』ですけど、『AXIA』はシングルにならなかったけど、ものすごく支持された曲。皆さんに愛されている代表曲の一曲として(セットリストに)入る予定です」と説明。「(作詞した)詩人の銀色夏生さんが『この人のために曲を書いたので、歌ってほしい』とディレクターさんに持ち込んでくれたんです。私のことを何も知らないのに、私のビジュアルだけを見てイメージが想起されて。表に出る側、表現する側からすると、すごくうれしいことです」と話した。
報知新聞社