『あの花』再放送も話題 『凪のあすから』『AIR』など“平成夏アニメ”の名作を振り返る
ノスタルジーを刺激する『イリヤの空、UFOの夏』『AIR』
●『イリヤの空、UFOの夏』 2005年にOVAとして発売された『イリヤの空、UFOの夏』は、懐かしの平成アニメのなかでも濃厚に夏の雰囲気を漂わせた作品だ。原作は秋山瑞人のライトノベルで、「セカイ系」の名作として知られており、ボーイミーツガールとSFの融合したストーリーとなっている。 主人公の浅羽直之は、夏休み最後の夜に忍び込んだ学校のプールで伊里野加奈というミステリアスな少女と出会う。そして新学期が始まり、伊里野が転校してきたことから、2人の仲はさらに縮まっていくことに。しかしその先には、切ない運命が待ち受けていた……。 今観ると、少し懐かしい絵柄に感じるかもしれないが、壮大な設定のジュブナイルSFとしても、少年と少女の“ひと夏の出来事”を描いたラブストーリーとしても、普遍的な魅力を放っている作品だ。 ●『AIR』 同じく懐かしアニメの枠では、京都アニメーションが2005年に手掛けたTVアニメ『AIR』も夏のイメージが強い。原作はKeyによる美少女ゲームで、『CLANNAD』や『ヘブンバーンズレッド』で知られる麻枝准の代表作でもあり、伝説的な“泣きゲー”としての地位を確立している。 主人公の国崎往人は、人形使いとして芸を見せながら旅をしている青年。とある夏の日に神尾観鈴という少女と出会った往人は、同じ街の人々と交流を深めていく。その一方、物語は1000年という時を隔てた過去編を挟み、壮大なスケールへと発展していく。 予想もつかない展開で、多くのファンを感動させてきたことは言うまでもないが、OP曲の「鳥の詩」やBGMの「夏影」など、楽曲面に関しても泣ける曲ばかり。「もう、ゴールしていいよね」といった名ゼリフも心に残る名作だ。 季節はもう秋に差し掛かっているが、いまだに厳しい残暑が続いている。夏の終わりを感じさせるアニメを観るのに、うってつけのタイミングではないだろうか。気になる作品をぜひチェックしてみてほしい。
キットゥン希美