長谷川さんは“負けず嫌い”なところに共感したという。

　「正直、負けず嫌いだけでここまできています（笑）。疲れますよ。自分でももういいよ……ってなるくらい負けず嫌い。そろそろ落ち着きたいけど、ここまできてしまったら、もう変わらないんだろうなと思っています。オーディションがあって、分かりやすく結果が出る仕事なので、そうなってしまうのかもしれません。オーディションでダメだった時、悔しいんだけど、その作品のPVだけは見ます」

　◇鬼頭明里と似ている？

　ダッコ役の鬼頭さんに取材した際、「ずっと長谷川さんのことを自分と似ているな……と思っていたんです」と明かしていた。声質、芝居などが似ていると感じていたという。

　「確かにそうですね。同じではないですが、ジャンル分けをしたら、きっと同じところにいる役者さんなんだろうと思っていました。間違えられることもあるんです。鬼頭さんとがっつり一緒に収録できるのが新鮮でした。テンポよく掛け合いができました。私がダッコを演じたら違う感じにはなると思います。鬼頭さんもそうでしょうし。ただ、鬼頭さんがイモッチを演じてもしっくりきそうですね」

　イモッチとダッコはケンカばかりしている。長谷川さんは「言い合うのが楽しかったです」と振り返る。

　「ずっとケンカをしています。すごいですね。大半が『バカ』というような言葉を言っている。可愛いんです。精神的に少し幼さがあって、ギスギスしない感じがして、カラッとした関係なんです。演じていても楽しかったです。小学生ならまだしも、高校生になってこんなに言い合えるなんて、もはや大親友じゃないですか。何年後かの2人も見たいです。いつまでも続く関係でしょうし、もしくはすごく落ち着いているかもしれませんし」

　イモッチをはじめボート部の面々の個性はバラバラだ。そんな部員たちが自身と向き合い、ボートに向き合う姿が美しく見える。

　「部活以外のこの子たちを見ると、本当に統一感がないんです。性格もなんか何もかもがバラバラ。でも、ボートは周りのことも考えながらやっているスポーツで、息が合っていないとできないですし、どんどん合っていくところがすてきです。この子たちの輝きが、海の美しい映像と相まって、すごくキラキラして見えるんです」