『マッドマックス:フュリオサ』ミラー監督の盟友が語る 狂気の世界を支える知性
映画『マッドマックス』シリーズ最新作『マッドマックス:フュリオサ』(5月31日全国公開)でプロデューサーを務めるダグ・ミッチェルが、長年タッグを組む盟友ジョージ・ミラー監督との映画製作について、合同インタビューで語った。 フュリオサvsディメンタス 映画『マッドマックス:フュリオサ』本編映像 本作は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)に登場した義手の戦士フュリオサの復讐の旅を描く前日譚。アニャ・テイラー=ジョイがシャーリーズ・セロンからフュリオサ役を引き継ぎ、クリス・ヘムズワースがバイカー集団を率いる宿敵・ディメンタス将軍役で出演。今回も大量の改造車が登場し、荒廃した世界を舞台に、壮絶なアクションを繰り広げる。
『マッドマックス』で唯一無二のマッドな世界を生み出したミラー監督だが、笑顔を絶やさない柔和で知的な言動は、狂気のイメージからはほど遠い。さらに、ハードなアクション大作だけでなく、キュートなペンギンたちのCGアニメ『ハッピー フィート』(2006)や、牧羊豚を目指す子ブタを描く『ベイブ/都会へ行く』(1998)などのファミリー向け映画でも成功を収めてきた。
ミラー監督と40年以上にわたってタッグを組むミッチェルは、「彼は素晴らしいストーリーテラーであり、ある種、医者のようでもあります(ミラー監督は元医学生)。知識豊かで、頭の中で様々な世界を想像して子供時代をすごしました。彼の才能は、ストーリーをビジュアルで表現することにも現れており、監督として、またアーティストとしての側面も持ち合わせています」とミラー監督の知性に言及。
そのうえで「『マッドマックス』に関していえば、ジョージは長い間ヒーローの旅を描いてきたと思います。1作目の『マッドマックス』が成功した理由は、最初はわからなかったそうですが、世界を見渡すと、侍やバイキング、ウエスタンなど、様々な文化があります。ジョージはそうした物語を、劇的な形で表現する才能があります。彼は人間のストーリーを語ることで進化してきました。『マッドマックス』のようなアクションを通じて、ドラマを上手く描写しています」と語る。 ミッチェルは、ロンドンで公認会計士の資格を取得した後、オーストラリアのシドニーに移住、製作会社ケネディ・ミラー・ミッチェルにおいて、財政の知識と自身の創造性を掛け合わせてミラー監督をサポートしてきた。「ジョージ・ミラーも金融のスキルを持っており、私もクリエイティブな能力を持っています。かつては他の人も関わっていましたが、1人は亡くなり、最終的に私とジョージがビジネスパートナーとして活動するようになりました」と振り返る。