金融庁、現在の暗号資産規制を検証へ。資金決済法の改正や金商法適用も視野=報道
金融庁が暗号資産規制を見直しへ
金融庁が、暗号資産(仮想通貨)規制の見直しを行うようだ。同庁の関係者の話としてブルームバーグが9月30日報じた。 この見直しでは、暗号資産取引の多くが投資目的で行われているという現状を踏まえ、現在の規制枠組みに過不足ないかを検証するという。なお現在暗号資産は資金決済法で規制されている。 資金決済法の規制が投資者保護に不十分だと判断されれば、資金決済法を改正すべきか、もしくは暗号資産を金融商品取引法の対象とすべきかを議論する予定だという。 なお関係者は、暗号資産を金融商品取引法の対象とした場合に起こりうる具体的な変化については言及しておらず、見直しは年内まで行われる可能性を示唆したとのこと。 もし暗号資産が金融商品取引法の対象となれば、投資家保護の強化や、税制改正の議論も活発になることが予想される。また暗号資産上場投資信託(ETF)が国内で解禁される可能性も出てくるだろう。 暗号資産業界はかねてより金融庁に対し、個人が暗号資産で得た収益に対する課税率を、現在の最大55%から、株式投資と同様の20%の申告分離課税に変更することを求めている。 また金融庁は9月25日に資金決済法改正に向けた金融審議会の作業部会を立ち上げている。改正案は今後議論を経て、2025年1月の通常国会での提出を目指す見込みだ。 金融庁は8月30日、令和6(2024)年度の税制改正要望を公表。暗号資産に言及された箇所で、「暗号資産取引に係る課税上の取扱いについては、暗号資産を国民の投資対象となるべき金融資産として取り扱うかなどの観点を踏まえ、検討を行っていく必要がある」とだけ記されていた。 なお金融庁の井藤英樹長官は8月7日公開されたブルームバーグのインタビューにて、暗号資産に連動するETFを国内でも承認するかどうかは、「慎重に検討する必要がある」との考えを示している。
あたらしい経済編集部