「昔あったなぁ」装備 「燃料コック」操作したことありますか?
「RES」は「予備タンク」ではない!?
燃料コックの「RES(リザーブ)」は、なんとなく「予備タンク」に切り替えるイメージがあるかもしれませんが、一般的なバイクに予備タンクは存在しません。
燃料コックを「ON」にすると、燃料タンク内部の底から立ちあがった管からガソリンが流れ落ちますが、管の吸い口よりガソリンの残量が少なくなるとガス欠の状態になります。そこで燃料コックを「RES」に切り替えると、タンクの底の吸い口からガソリンが流れるため、ガソリンが無くなるまで使うことができます。 というワケで、キャブレター車で燃料コックが「ON」の状態で走っていてガス欠の症状が出たら、言うなれば現代のFI車の燃料警告灯が点灯した時と同じ意味合いになります。そのため、FI車で燃料警告灯が点灯した時のガソリン残量(=走行可能距離)と同様に、燃料コックを「RES」に切り替えてからのガソリン残量を知っておく必要があります(取扱説明書に記載あり)。
ここから分かるように、燃料コックの最大の注意点は、もし「RES」の状態でガソリンを給油したら、必ず燃料コックを「ON」に戻すことです。この操作を忘れて走っているとガソリンを最後まで使い切ってしまうため、何の前触れもなく「本当のガス欠」に陥ります。 とくに「OFF」の位置が無い負圧式燃料コックのバイクはけっこう忘れがちなので、旧車やキャブレター車に乗る機会があったら気を付けましましょう!
伊藤康司