「フレッシュで危険なミトマがいた」帰還した三笘薫、“残酷な試合”での好パフォーマンスにブライトン番記者は安堵。「衝撃のシーン」と称賛したプレーは?【現地発】
三笘が「一緒にプレーしやすい」と認めるスペイン代表も復活
前半の三笘は攻守にチームに貢献し、秀逸なパフォーマンスだった。しかし後半になると、スパーズ守備陣を崩す機会が減少する。ディフェンダーを困惑させようとインサイドに走ったり、サイドラインに張ってみたりしたものの、なかなか好機を作り出すことができなかった。逆にアンジェ・ポステゴグルー監督が率いるチームは、ブライトン攻撃陣を抑え込み、自陣に踏み込ませることを許さない。 61分には、ついにスパーズが同点ゴール奪取に成功する。だがここから三笘は一つギアを上げて、トッテナム守備陣に迫っていく。同点弾の数分後には、敵の右サイドバック、ピーター・ポーロを抜いて中央にクロスを送ろうとしたものの、精度が低く味方には渡らなかった。 さらに72分には、グロスからのスルーパスで前線に飛び出し、再びポーロを置き去り。完璧なカットバックを中央に送り込んだが、途中出場したアンス・ファティのシュートは惜しくもポスト右へと外れた。その2分後にはポーロの股を抜きスタジアムを沸かせたが、好機を演出することは叶わなかった。 この試合では、ブライトンのダグアウトにロベルト・デ・ゼルビ監督の姿がなかった。歯の治療のために自国のイタリアに帰っており、歯科医から「絶対安静」というお達しがあったため、試合が行われた時点ではイングランドに戻れなかったのである。 指揮官を欠いたブライトンのコーチングスタッフだったが、難敵トッテナムを相手に勝利は叶わなかったものの、勝点1を獲得できれば御の字と考えていたはずだ。 しかしながら、激しい戦いの末に目前まで迫った1ポイントは、シーガルズの手中のなかからするりと抜け落ちていく。アディショナルタイム6分、ソン・フンミンを中心とした切れ味鋭い速攻からブライトンの守備を崩して、ウェールズ代表のジョンソンが決勝点を奪うのである。 受け入れがたい結果で、なんとも厳しい現実である。それでも、だ。この試合のチームには、ポジティブな面が多かった。 今季は波に乗り切れない三笘は、彼が持つクオリティを誇示し始めており今後が楽しみになってきた。左サイドでは、長期離脱から復活したエストゥピナンとうまく連携が取れており、さらにファティの復活も吉報である。 三笘が「一緒にプレーしやすい好選手」と認めるスペイン代表の気鋭。ファティとは、特にシーズン当初は力強いパートナーシップで、見ているものをワクワクさせてくれたものだった。さらに、ここにきて、けが人のリストは大幅に短いものになっている。 次節シェフィールド・ユナイテッドで勝利を収めることができれば、それを契機に一気に順位表を駆け上がる可能性も十分にある。目標とするチャンピオンズリーグ出場権獲得も、まだ諦めてはいない。 取材・文●リッチー・ミルズ(ブライトン番記者) 翻訳●松澤浩三
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