雨中の決戦制した中京が3年ぶり岐阜決勝へ!! “絶対王者”帝京大可児にリベンジなるか「楽しみながらまた戦える」
[11.2 選手権岐阜県予選準決勝 長良高 0-2 中京高 長良川球] 第103回全国高校サッカー選手権岐阜県予選は2日、岐阜市の長良川球技メドウで準決勝を行い、中京高が長良高を2-0で破って3年ぶりの決勝進出を決めた。9日の決勝では8年ぶり2回目の全国出場をかけ、5連覇中の王者・帝京大可児高と対戦する。 【写真】「かわいい3人」「癒されます」…影山優佳さんがなでしこ戦士との3ショット公開 前日夜から降り続いた大雨の影響により、約1時間前倒しとなった午後0時30分のキックオフ時点でも、ピッチのいたるところに水たまりが目立つ状況となった準決勝第2試合。両チームの選手たちはショートパスをつなぎにくいどころか、ドリブルでの前進すらできないという過酷な条件下で試合に臨んだ。 「厳しい試合でした。思ったようにサッカーができず、ストロングを捨てつつやらないといけないこともあった」(中京高・熊谷大樹監督) 「(1~2年生編成のチームで)フィジカル的にも弱いので、やりたいことができる状況ではなかった。こんなに土砂降りでやることはなかったので経験不足」(長良高・金森康二監督) 両チームの指揮官の言葉どおり、いずれのチームにも逆風となったピッチコンディション。それでも時間を重ねるにつれて「前目の選手は2つ、3つ、もしくは4つと年間通してプレスに行っている」(熊谷監督)という中京が押し込む場面が増え、DF江崎直也(2年=名古屋U15)のロングフィードで陣地を回復したい長良を次第に飲み込んでいった。 中京は前半15分、MF岩下響(3年=FCV可児)のスルーパスに抜け出したFW中村祐斗(3年=FCオリベ多治見)がシュートを狙うも、惜しくも枠外。同17分にはGK宮澤星河(3年=ティグレイ岐阜)のロングキックに抜け出したFW吉良和真(3年=FCV可児)がゴール前に入ったが、決定的なシュートは長良GK永田圭祐(1年=FC DIVINE)のスーパーセーブに阻まれた。 それでも前半33分、中京が試合を動かした。中盤左に開いたDF久保田臣(3年=伊賀FC)の左足ロングフィードがペナルティエリア内に送り込まれ、FW龍口慈実(3年=アザリー飯田)が空中戦で競り合って頭で落とすと、ファーサイドに飛び込んだのは中村。外に流れながらもGKとの駆け引きを制し、右足でねじ込んだ。 背番号10を背負う中村は今大会期間中に風邪を引き、準々決勝・岐阜工戦(○2-1)はベンチスタートに回るなど病み上がりの状態。この日も前半にイエローカードを受けていたこともあり、結果的にはハーフタイムに途中交代となったが、限られた出場時間で結果を出した。 そんな中京は後半開始時、中村に代わってDF藤本泰輔(2年=FC Dans dix ans)が左SBに入り、久保田がボランチ、岩下が右サイドハーフにそれぞれスライド。するとその後、ハーフタイム明けから勢いを保持していた長良の勢いが増し、後半13分にはFW野田敦己(1年=FC DIVINE)が惜しいシュートを放つなど、互角の展開に持ち込んでいった。 ところが後半30分、長良はDF角田義成(2年=FC DIVINE)のタックルで2枚目のイエローカードが出され、数的不利と苦しくなる。すると同33分、中京のFW井亦倖大(3年=白鳥中)が激しいプレッシングからそのままゴールに押し込み追加点。そのままタイムアップを迎えた。長良は1950年度の初出場時以来74年ぶりの全国大会出場に届かなかった。 一方の中京は5連覇中の王者・帝京大可児への挑戦権を獲得。帝京大可児にはインターハイ予選決勝でも2-3で敗れた上、現3年生の入学を控えた3年前の前回決勝進出時にも1-6で敗れているなど、世代を超えたリベンジがかかる因縁の相手だ。 ただ、チームとしては相手のことを過度に意識せずに向かっていく構えだ。熊谷監督は「相手どうこうというより目的、目標。全国へという合言葉を岩下キャプテンがずっと言っているので、それがブレていない集団なのかなと見守っている」と心構えを明かしつつ、「楽しみながらまた戦える。喜びを噛み締めながら決勝をやりたい。みんなの思いを乗せて戦いたいし、勝ちたいと思います!」と難敵撃破を誓った。