大学再編「リセット」 静大学長再選決定の日詰氏 合意書白紙撤回も【静大・浜医大再編】
静岡大の次期学長選考で再選が決まった現職の日詰一幸氏(69)が31日、同大静岡キャンパスで記者会見し、膠着(こうちゃく)状態が続く浜松医科大との運営法人統合・大学再編について「本年度内をめどにリセットする」と述べた。2019年3月に浜医大と合意した1法人2大学への再編には応じず、合意書の白紙撤回も辞さない構えを示した。 ■「一つの総合大学目指す」 日詰氏は浜医大との再編を「これ以上協議してもまとまる可能性は低い。区切りを付けることが必要と判断した」と強調した。「リセット」と表現した理由を問われると、「白紙撤回と受け止められても構わない」とした上で「再スタートを切るという意味だ」と説明した。一方、「医学・工学・情報学の取り組みは極めて重要」とし、今後も浜医大との連携は強化していく方針を示した。浜医大への伝達時期については、浜医大が現在、学長選考過程にあることを踏まえ「適切な時に伝える」とした。 静大の次期学長の選考過程で行われた教職員による意向投票では、日詰氏が587票、浜医大との合意に沿った再編推進を訴えた相手候補が460票だった。合意通りの再編を求める教員らから反発が予想されるが、「意向投票の結果を受けて本学の意思は示されたと受け止めている」と述べた。今後の大学運営方針については「静岡大を二つの地区大学に分割するのではなく、一つの総合大学として発展させたい。一体感のある大学運営や機能強化を目指す」と語った。 日詰氏を選出した学長選考・監察会議の大石裕議長は選考理由を「リーダーシップや未来的なビジョンに着目した。調和の取れた一体感のある大学を目指すという点を高く評価した」と説明した。
静岡新聞社