5点の衣類、改めて「捏造」 袴田さん再審で弁護側 静岡地裁
静岡県で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第13回公判が17日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であった。 事件の約1年2カ月後に見つかり、犯行時の着衣とされた「5点の衣類」について、弁護側は半袖シャツに付いた血痕のDNA型鑑定から「犯行着衣ではなく、捏造(ねつぞう)だ」と改めて主張した。 弁護側は、5点のうち半袖シャツの右肩部分に残っていた血痕について、DNA型鑑定の結果から「袴田さんのものではない」と指摘。DNA型以外の血液型や傷痕などが一致しているのは「捏造された証拠であると推定する方が自然」と主張した。 これに対し検察側は、「鑑定手法に科学的矛盾が多く、結果は信用できない」と反論。「犯行着衣ではないことを示す証拠にはならない」と批判した。