米雇用者数、4カ月連続で20万人以上の伸びへ-賃金は伸び鈍化の予想
(ブルームバーグ): 米国の雇用は3月も堅調に伸びたが、賃金の伸びは緩やかだったもようだ。米労働市場が景気を刺激し続けるものの、インフレ再燃のリスクは限定的なことを示している。
ブルームバーグのエコノミスト調査によると、米非農業部門雇用者数は4カ月連続で前月比20万人以上の増加となったと見込まれている。平均時給の予想は前年同月比4.1%増と、2021年半ば以来の小幅な伸びにとどまったとみられる。
堅調な雇用が需要と経済を前進させると同時に、インフレはまだら模様ではあるが減速している。また、米金融当局者らは物価上昇圧力のさらなる低下を待ちながら、利下げを先送りすることが可能となっている。
今週は3日のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を筆頭に、米金融当局者の発言機会が多く予定されている。議長の他、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁や、クーグラーFRB理事、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁、シカゴ連銀のグールスビー総裁、ダラス連銀のローガン総裁、リッチモンド連銀のバーキン総裁らが話す。
5日発表の雇用統計では、失業率が3.8%に低下し、2月に記録した2年ぶりの高水準をやや下回ると予想されており、労働市場の勢いが若干失われていることを示唆している。
2日に発表される2月の求人件数では、労働需要を垣間見ることができそうだ。エコノミストらは求人が減少したと予測しているが、依然として新型コロナウイルス禍前の水準を上回るだろう。
その他、今後1週間には製造業とサービス業の購買担当者調査も発表される。
米国の北側に目を向けると、カナダ銀行(中央銀行)が4月10日の金利決定に先立ち、インフレ期待に関する調査結果を実施する。カナダの雇用統計は米国と同時に発表される。
その他では、ユーロ圏やトルコ、コロンビアなどで重要なインフレ指標が発表される。インドやチリなどの中銀の金利決定も予定されている。
1日発表の日本銀行の企業短期経済観測調査(日銀短観)は、業種による景況感の違いを反映したものになろう。大企業製造業の景況感を示す指数は4四半期ぶりの悪化が見込まれる一方、大企業非製造業の景況感指数は32年ぶりの高水準に改善する可能性がある。