『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』上映中。90歳を超えて活躍し続けた孤高の天才ピアニストの軌跡
history
1931 ドイツ、ベルリンで誕生。父はスウェーデン人画家・建築家、母は日本人ピアニスト 1936 日本に移住。ピアノを始める。日本に馴染めなかった父はスウェーデンへ帰国。母がピアノ教師をしてフジコと弟を養育する 1947 16歳の時に中耳炎をこじらせ右耳の聴覚を失う 1953 東京藝術大学音楽学部在学中にNHK毎日コンクール入選。藝大卒業後本格的な音楽活動を開始。留学を希望するもパスポート申請時に無国籍であることが発覚 1961 西ドイツ赤十字社に認定された難民として、現ベルリン芸術大学に留学。卒業後は欧州各地で音楽活動を続ける 1969 風邪をこじらせ左耳の聴覚を失う(治療の結果、左耳のみ40%まで回復)。ピアノ教師をしながら欧州各地で演奏活動を続ける 1995 日本に帰国しコンサート活動を開始。1999年放映のNHKのドキュメンタリー番組を契機に、デビューCD『奇蹟のカンパネラ』は200万枚を超える大ヒット 2024 4月21日、膵臓がんのため死去。享年92歳
フジコ・ヘミングさんに憧れている人
タレント・歌手 LiLiCo さん 「ほぼ仕事がなく悩んでいた頃、同じスウェーデンと日本の血を引くフジコさんをテレビで拝見し、根拠なく運が向いてきた気になりました。ピアノの音色は一音ずつに人生が詰まっていますし、「自分は自分」という考え方、鍛錬を怠らない姿にパワーをもらっています」
『クウネル』2024年11月号掲載 文/吾妻枝里子
クウネル・サロン