旧瀬谷中校歌を復活 小松、66年閉校 松東みどり学園教頭が卒業生の依頼で楽譜に
●10月、同窓会で半世紀ぶり合唱 1966(昭和41)年に閉校した小松市旧瀬谷中の校歌が「復活」する。楽譜がない中、同窓会で歌いたいと卒業生たちの依頼を受け、旧瀬谷中の歴史を受け継ぐ松東みどり学園の岡嶋晋一前期課程教頭(52)が、歌声を聞き取り楽譜に書き取った。卒業生たちは10月18日に市内で開く同窓会で、岡嶋教頭が作った楽譜と音源を基に、半世紀ぶりに合唱して旧交を温める。 旧瀬谷中は1947年に開校し、現在の赤瀬、上リ江、打木、瀬領、長谷、波佐谷6町が校区だった。66年に、ほかの3中学校と旧松東中(現松東みどり学園)に統合された。 同窓会を企画しているのは旧松東中の第1期卒業生のうち旧瀬谷中に通ったことがある住民で、現在72~73歳の同級生38人中、16人が市内外から参加する予定。昨秋の同窓会で、懐かしい校歌を歌いたいと声が上がり、楽譜がないかと幹事の住民が学園に相談したのがきっかけとなった。 相談の電話を受けた岡嶋教頭が資料を探し、歌詞は判明したもののメロディーが分かる楽譜はなかった。幹事が記憶を頼りに歌えると聞き、自身が音楽を指導していることから同校で歌ってもらい、伴奏もつけて楽譜にまとめ、8月24日に音源を完成させた。 高校生の頃からピアノの弾き語りが趣味だった岡嶋教頭は「地域の人とつながり、お役に立てる機会があってうれしい」と笑顔を見せる。 幹事の一人の喜多賢さん(73)=打木町=は「岡嶋先生の協力があってこそ校歌が復活した。ご縁に感謝し、同級生と歌って思い出を作りたい」と話した。