【60歳代の貯蓄額】平均と中央値との差は1000万円超。今年度の年金額「2.7%増額も実質目減り」のワケ
今年のGW(ゴールデンウィーク)は気候もよく、旅行やレジャーに出かけた方も多かったでしょう。 【円グラフ・一覧表など4枚】「60歳代・二人以上世帯の貯蓄額」&「厚生年金と国民年金」の受給権者数を1万円刻みで見る!(出所:厚労省など) 旅行に出かければ気晴らしになったり、その土地の文化や食、歴史などを楽しめる一方で、交通費や食費、ホテル代、お土産代など何かとお金もかかります。 長期休暇を楽しみ続けるためにも、家計管理や貯蓄、資産形成は大切でしょう。 特にリタイア後は旅行にレジャー、趣味を楽しみたい方も多いと思いますが、望んだリヤイア生活を過ごすためにもお金は基盤となります。 老後にまとまった資金を保有するためには、現役時代からどのように貯めていくかが重要です。 今回は60歳代・二人以上世帯の貯蓄額と、現代シニアの厚生年金と国民年金の平均月額を確認しながら、老後対策を考えていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【60歳代】平均貯蓄額はいくら?中央値との差は1000万円超に
まずは現代シニアの貯蓄額を詳しくみていきましょう。 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。 ●【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値 ・平均:2026万円 ・中央値:700万円 平均貯蓄額は2000万円を超えており、現代シニアはしっかりと貯蓄を保有しているようすがうかがえます。 ただし、平均は一部の富裕層に影響されるため、より実態に近い中央値をみると700万円まで下がりました。 平均と中央値の差は約1300万円ほどにもなります。 人生100年時代といわれる昨今、60歳代で貯蓄1000万円以下では不安を抱える方も多いでしょう。 では、老後生活の柱となる、公的年金(厚生年金と国民年金)は平均でいくら貰えるのでしょうか。
公的年金(厚生年金と国民年金)の平均月額はいくらか
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、現代シニアの平均的な年金額を見ていきましょう。 ●厚生年金の平均年金月額 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む ●国民年金(老齢基礎年金)の受給額 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 厚生年金は14万円台、国民年金は5万円台が平均でした。 なお、グラフをみても分かる通り、特に厚生年金は月1万円未満~30万円以上まで個人差が大きくなっています。 全員一律の保険料をおさめる国民年金と違い、厚生年金は会社員や公務員などが収入に応じた保険料をおさめるため、老後の受給額の個人差が大きくなるのです。 男女別に月額のボリュームゾーンをみると以下の通り。 ●厚生年金のボリュームゾーン(月額)※受給権者数が70万人超 ・男性:14~20万円 ・女性:9~10万円 男性と女性ではボリュームゾーンに差が出ており、これは女性の方が家庭環境により働き方をセーブしたり、賃金が低くなったりしていることが影響していると考えられます。