「頻尿」の原因はご存じですか? トイレが近いときの対処法や膀胱訓練のやり方を医師が解説!
過活動膀胱の治療法
編集部: 過活動膀胱は、どのようにして治療するのですか? 永田先生: 一般的にはまず、薬物療法がおこなわれます。カプセルや錠剤など飲むタイプの薬と、皮膚に貼るタイプの薬があり、これによって膀胱の過活動を抑えて症状を和らげます。そのほか、行動療法として膀胱訓練や骨盤底筋体操があります。 編集部: 膀胱訓練はどのようにしておこなうのですか? 永田先生: 簡単に言うと、排尿の間隔を少しずつ長くしていき、膀胱が尿を溜める力を養っていく訓練です。はじめはトイレへ行きたくなっても5分我慢して、それを1週間続けたら、翌週は10分我慢してみるなど、少しずつ我慢の時間を伸ばしていきます。 編集部: どれくらい我慢できればいいのですか? 永田先生: 一般的には、2~3時間程度我慢できるのが目標とされています。膀胱訓練をおこなうときには、排尿した時間や尿量などを記録する排尿日誌を一緒につけると、自分の排尿の傾向をつかみやすく、さらに効果が期待できるようになります。 編集部: 骨盤底筋体操についても教えてください。 永田先生: 文字通り、骨盤底筋を鍛える体操です。肛門を引き締め、陰部を引き上げる体操をおこなうと骨盤底筋が鍛えられ、過活動膀胱の改善を見込むことができます。骨盤底筋体操と聞くと「女性がおこなうもの」というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、実際には男性でも効果が期待できます。 編集部: 膀胱訓練や骨盤底筋体操で改善が期待できるのですね。 永田先生: ただし、これらの行動療法をおこなっても、あまり効果が出なければ、膀胱がんなどの疾患が隠れていることも考えられます。気になったら医師の診察を受けましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 永田先生: 頻尿の改善には、膀胱訓練や骨盤底筋体操が有効である一方、すぐには効果が出ないかもしれません。特に、加齢が原因の場合にはなかなか期待した効果が得られず、途中で諦めてしまう人も少なくありません。しかし、これらの訓練や体操は長期的におこなうことが大切です。気長に、そして気軽な気持ちで続けていきましょう。しばらく続けても効果がみられない場合は、ぜひ泌尿器科へご相談ください。