次はどこへ? 契約満了を迎えた大物Jリーガー(2)日本代表にも選ばれた超逸材。不屈の“ガラスの天才”
今季の明治安田J1リーグは既に終了しており、ここからはオフの期間となる。各クラブは来季を見据えて、本格的に戦力の補強に動き出している。そのなかで複数クラブによる争奪戦に発展しやすいのが、今季で契約満了となり、フリーで獲得できる選手たちだ。そこで今回は、今季限りでチームを退団することが決定している実力者を紹介する。※情報は12月20日時点。スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照
MF:山田直輝(やまだ・なおき) 生年月日:1990年7月4日 今季所属クラブ:湘南ベルマーレ 今季リーグ戦成績:10試合0ゴール0アシスト 怪我に苦しみながらも、チームを牽引してきたベテラン選手がチームを去る。 現在34歳の山田直輝は、2009年に浦和レッズのトップチームに正式昇格。同クラブの下部組織では各年代で中心選手として活躍し、世代屈指の選手として大きな期待を受けていた。 実質的にプロ1年目となった2009シーズンは、リーグ戦20試合に出場。将来有望な若手として、サッカー日本代表にも招集された。 浦和の至宝としてその名を轟かせていた山田だったが、そのキャリアは常に怪我と隣り合わせだった。 2010シーズンは、相次ぐ負傷によってリーグ戦はわずか3試合の出場に。その後も左足前十字靭帯損傷などの怪我によってピッチに立てない試合が続き、出場が濃厚とされてきたロンドンオリンピック(五輪)に出場することはできなかった。 厳しい時期を過ごした山田は、2015年に湘南ベルマーレに期限付き移籍。同クラブで3シーズン過ごした後、保有元である浦和に復帰するが、2018シーズンは右足腓骨の骨折でほとんどプレーできず。2019シーズン途中に再び湘南への期限付き移籍を選び、シーズン終了後に同クラブへの完全移籍を決断した。 完全移籍後、湘南ではここまでリーグ戦通算105試合に出場している。ハムストリングの負傷など、怪我に苦しめられたものの、ベテランとしてチームを鼓舞し、引っ張ってきた。 山田は、怪我に苦しめられながらも何度も何度も立ち直り、浦和と湘南で今季まで公式戦通算296試合に出場してきた。その精神力は並大抵の強さではないだろう。 ベテランMFが見せる不屈の精神が、チームに大事な場面での勝負強さをもたらしていたといっても過言ではない。近年の湘南はJ1残留争いに巻き込まれるシーズンが多いものの、終盤に勝負強さを見せてJ1定着に成功している。 リバウンドメンタリティを体現する山田は、来季どのチームのユニフォームを着ているだろうか。その動向に注目だ。
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