「昇進のチャンスは辞退します」「自分のために働くことの何が悪い?」Z世代は本当に「会社のために働くなんてありえない」と考えているのか?
自分のやりたいことが会社のためになるのがベスト
続いて話を聞いたのは、今年の春に広告系のベンチャー企業に就職したばかりのウエスギさん(仮名・男性・23歳)。彼は企業に対する広告提案などの営業を担当しているという。 「僕が勤めている会社は規模が小さく、少人数なので一人一人の働きがすぐに実績として反映されるんです。特に自身が所属する営業は直接顧客へ働きかけるので、会社への売り上げに直結する大事な部門。だからこそ今はやりがいを感じて仕事することができています」 そんなウエスギさん、理想の働き方についてこう語る。 「僕は働くうえで、まずは自分がやりたい仕事に挑戦できる環境かどうかを重視します。自分のやりたいことができている前提で、その次に会社の利益や貢献度を考えていますね。だから自分のやりたいことが必然的に会社のためにもなっている状態がベストだと思っています」 現在、月平均40~60時間の残業があるというが、「そこまで苦じゃない」と言う。自分がやりたいことだからこそ残業時間でもキャリアアップにつながっていると感じられるそうだ。 では、自分がやりたいことができない職場に就職してしまった場合、どうするのだろうか。 「すぐ辞めちゃうでしょうね(笑)。それが一生死ぬまで続くなんて絶望しますし、時間のムダだって思っちゃうんです。さっさと転職して新しいことに挑戦したほうが自分のためになるんじゃないかなって」 昨今ではブラック企業に勤めてメンタルを病んでしまうケースや、新卒で入社1年以内に退職してしまうケースも目立っている。こういった状況についての意見を聞いた。 「精神を病むくらいならその会社に居続ける必要はないですよ。たとえそれが自分のやりたいことでも、人間には限界がありますし。会社は社員のケアもちゃんとしなきゃいけないのに、それができていない会社にこちらも貢献したい気持ちにはならないです。 だから早めにそれに気づいて次に行くことも悪いことじゃないと思います。今は情報があふれていて、転職もしやすくなっているので」 転職サイトや転職エージェントが活況の昨今、転職へのハードルが下がってきていることで、ムダな時間を過ごしたくないという若者たちが増えているのかもしれない。
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