“青汁”でおなじみのキューサイ株式会社が掲げる新しい挑戦「ウェルエイジング」とは?代表取締役社長・佐伯澄が語るブランディング戦略
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。4月6日(土)の放送は、キューサイ株式会社 代表取締役社長の佐伯澄(さえき・のぼる)さんをゲストに迎え、お届けしました。
佐伯さんは、大学を卒業後、東京三菱銀行(現:三菱UFJ銀行)に入行し、その後、米国ケースウェスタンリザーブ大学院(MBA)留学。2005年に住友商事に入社、海外での事業投資や経営などに携わり、ニュージーランドにおけるジュースメーカーのCEOも歴任。退職後は、AmazonにてAmazon Freshの事業立ち上げなどに従事。そして、2022年1月に取締役としてキューサイに入社し、同年3月に代表取締役社長に就任しました。
◆「ウェルエイジング」を掲げた抜本的改革に向けて
長きにわたり展開している「青汁(ザ・ケール)」をはじめとする健康食品を手がけるキューサイは、インフォマーシャル(通販CM)での顧客開拓を得意とし、俳優・八名信夫(やな・のぶお)さんの「まず~い、もう一杯!」というインパクト大のフレーズで一気に知名度を上げていきました。 そして、2019年10月に企業ロゴを「Q’SAI(キューサイ)」に一新し、2022年には「ウェルエイジング(“年齢を重ねることを前向きにとらえ、こころ豊かに生きる”ことを示した造語)」を企業ミッションとして掲げ、前向きに年齢を重ねられる世界を目指しています。 佐伯さんは、入社してからこれまでの取り組みを「今までやってきたことは軸足として保ちつつ、一歩外に飛び出して価値ある挑戦もしてみようと。それがすごく楽しいですね」と振り返ります。すると笹川が、「『青汁といえばキューサイ』というイメージもありますし、抜本的な改革をしなくても、会社として(順調に)経営できているんだろうなと思ったんですけど、そこにあえて改革に取り組んでいったのは、どういうタイミングだったのでしょうか?」と質問します。 これに「長くキューサイを愛してくださっているお客さまもいらっしゃいますが、今は『単品通販(TVショッピングやECサイトなどで1つの種類に商品を絞って販売をおこなうビジネスモデル)』で売っていけるような時代ではないのではないか」と言及。というのも、「(単品通販は)コミュニケーションが一方通行なんです。(通販CMなどで)青汁の機能の良さをアピールし、ビフォーアフターを見せただけでは、今のお客さまは動かない」と佐伯さん。 さらに、「特にエイジングに関する商品は、自分で試してみたいし、インフルエンサーみたいな誰かの声を聞いて(効果を)確認したい。つまり、デジタルで情報を確認してから“自分ごと化できるか”というのが重要なポイントだと思っています。そういう意味でも(ただ単に)お客さまに商品を売るだけでなく、お客さまの生活習慣も売っていく。そこが『ウェルエイジング』を掲げる我々の使命ではないかと思います」と力を込めます。 そして改めて、「マーケットイン(顧客の声を聞いて、商品やサービスを市場に投入しようとする考え方)だったり、『この商品が、お客さまの生活シーンに自分ごと化できると、こんな“ウェルエイジング”な世界が待っています』ということをマーケティングできるのは、キューサイの強みだと思います」と声を大にします。
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