朝ドラ、日曜劇場と話題作出演続く片岡凜 『海に眠るダイヤモンド』明るくあっけらかんとした千景役は「ちょっとうれしかった」
◆1つじゃない私の顔を皆さんに見ていただきたい
金曜ドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(2022年/TBS)でのデビューから2年。ここまでの道のりは「早かったです。1つ1つ作品をやらせていただいて、積み重ねてもう2年かという感じです」と振り返る。本作の新井P、塚原あゆ子監督とはデビュー作に続いての顔合わせ。「またご一緒させていただけるということに対してすごくうれしかったです。デビューの作品と今で、何か成長した姿をお見せできたらなとも思いました」と特別な思いで撮影に臨んだ。 『虎に翼』をはじめ着々とキャリアを築いてきた片岡だが、第7話で物語を動かす、通称「山ヨコ」に集まる少女を演じた『石子と羽男』は特別な存在の作品だという。「初めてのお芝居だったんですけど、泣いたお芝居をした時に、『あぁ、お芝居ってすごく楽しいな』って。うまく言葉で説明できないんですけど、そういう感覚が体の中に強く残ったのを覚えています。すべてが初めてだったので、現場に行っても失うものもなく得るものばかりでした。髪を染めたのも初めてでしたし、楽しかったですね」。 今年は、『虎に翼』でヒロインが対峙する少女・美佐江を怪演、『嘘解きレトリック』では、人形のような見た目を持つ名家の一人娘を演じ、その美しさも絶賛を集めた。話題作への出演が続き、周囲からの反響も大きい。「本当にうれしいですしありがたくて。私のお芝居をたくさんの方が見てくださって、何か言ってくださることは感謝でしかないです」と笑顔。「やっぱり朝ドラの印象が強いみたいで、月9に出演させていただいたんですけど、『来た、サイコパス』って書かれて、サイコパスが抜けないなって(苦笑)。街で声をかけられることも増えましたが、『凜ちゃん』じゃなく、『美佐江さん』と言われることがやっぱり多いですね。今回演じる千景は、初めてここまで開放した明るい子なので、また違った私を見ていただいて、どんな反応が寄せられるのか楽しみです」と期待を寄せる。 「小さいときは、女優さんというよりも表現者になりたかった」という片岡。夢がかなえられたと顔をほころばせ、「お芝居やお仕事の楽しさはデビュー前の想像以上」と充実した日々を送る。今後挑戦してみたい作品やキャラクターを尋ねると、「back numberさんの楽曲のような純愛ラブストーリーみたいな作品をやってみたいなって思います」と教えてくれた。 さまざまな謎や伏線も散りばめられている物語の行方が気になるが、「台本を読んでいるだけでも、涙が出そうになるくらいに、生きることや愛することに必死な様子が胸を打たれます。現代パートでは、人を愛するということに対してものすごく信用していない玲央がどう変化していくのか。千景も玲央と一緒に行動する中で、心境や取り巻くものがどう変化していくのか注目してほしいです」とアピール。「過去と現在のギャップや対比が描かれる中で、私が演じる千景にも何か役割があるんじゃないか、この作品に何か貢献できるのではないかと思いながら演じています」。 シール集めにハマっているという21歳らしい一面ものぞかせる片岡。「1作品ごとに違う顔を皆さんにお見せしたくて。朝ドラのイメージが強いかと思いますけど、サイコパスな面もあれば、今回みたいに明るい片岡凜もいたり、1つじゃない私の顔を皆さんに見ていただきたい」と語る。その言葉通り、今後もさまざまな作品で世の中を驚かせてくれることは間違いなさそうだ。(取材・文:渡那拳 写真:高野広美) 日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』は、TBS系にて毎週日曜21時放送。