寒さに向かう季節、小春日和の彩りを花束で取り入れて【二十四節気とフローリスト】
古くから伝わる「二十四節気」は、春夏秋冬の季節を6つずつに分け、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけたもの。気忙しい日々だからこそ、暦に合わせて咲く色とりどりの花から活力をチャージしたい。今回は冬直前、小雪に飾りたい花束を、東京・学芸大学の「THE DAFFODILS」に束ねてもらった 【写真】小春日和の彩りを取り入れた「小雪」の花束
小雪 11月22日~12月6日
北国や山に雪化粧の知らせが届くこの時季。雪が降りはじめる頃ということから “小雪”と呼ばれている。この時季に暖かさを感じる日のことを“小春日和”と呼ぶが、これは春のようなという意味ではなく、旧暦の10月、今にあたる11月から12月上旬を、古くは「小春」と呼んでいたことに由来する。本格的な冬を前にして、短すぎた秋を惜しむように、暖色系の彩りを選んでみてはいかがだろう。 2種のダリアに、2種の菊、ジニア、コスモス、ケイトウをバランスよく束ね、紅葉したティーツリー、ヒペリカム、ウメモドキで立体感のある花束。温かな暖炉、花火、秋の紅葉を連想させてくれるようなオレンジのグラデーションがパワーを届けてくれそうだ。THE DAFFODILS店主の加藤寛樹さんが今、気になっている花のひとつが、ダリア。詩人・ゲーテが庭に70種もの品種を植えるほど愛したとも言われている花だ。主役感のある大輪の花弁が目を引くが、現在は2~3万種の品種があり、多彩な色調が楽しめる。 ナチュラルに見えながらも、全ての花が美しく束ねられている。ブーケ¥5,500
このブーケを束ねてくれたのは、学芸大学駅の喧騒から少し離れたところにある「THE DAFFODILS」。イギリスのガーデンに惚れ込んだ店主の加藤さんが現地で実際に見た、ガーデンに咲くニュアンス感のあるカラーを店舗でも再現。自然な色味が多い国産の花を主軸に、旬の花材を仕入れている。 一輪から買い求める人も、飛び込みで花束をお願いする人も、そのセンスを頼りに訪れる人が後を絶たない街のお花屋さんだ。
THE DAFFODILS ザ ダッフォディルズ 住所:東京都目黒区鷹番2-5-17 営業時間:11時~21時 定休日:木曜日 TEL. 03-6303-1669 参考文献:『花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ』株式会社KADOKAWA 『美しい「歳時記」の植物図鑑』山川出版社 三浦 康子『暮らしの歳時記』All About 『くらしのこよみ 七十二候の料理帖』平凡社 TEXT BY YURI TAKAHASHI