米最高裁、経口中絶薬のアクセス維持を示唆-保守派判事も制限に疑問
(ブルームバーグ): 米国で行われる人工妊娠中絶で広く使用される経口中絶薬について、連邦最高裁判所は全面的なアクセス維持を認める可能性が高いことを審問で示唆した。妊娠中絶はリプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)と今年の選挙を左右しかねない重要なケースとなっている。
米国を二分するこの問題を最高裁が取り上げたのは、人工妊娠中絶の権利を認めた「ロー対ウェイド判決」を2022年に覆して以来。経口中絶薬「ミフェプリストン」は、米国で行われる中絶の半分以上で使用される。
米連邦最高裁、中絶の権利認めた「ロー対ウェイド判決」覆す (3)
中絶反対派の医師たちが起こしたこの訴訟は、ミフェプリストンのアクセスを広げた米食品医薬品局(FDA)の措置を後退させることを求めたもの。FDAは2021年、郵送での同薬品処方を認めた。最高裁がFDAによる安全性判断を覆した事例はない。
保守派のゴーサッチ判事は「良心に反するとの主張から少数の個人」が起こした訴訟が、連邦最高裁にFDAの判断を覆させる根拠になるのかどうかに疑問を呈した。
ミフェプリストンのメーカー、ダンコ・ラボラトリーズはバイデン政権とともにアクセス支持を主張してきた。
原題:Supreme Court Suggests It Will Back Access to Abortion Pill (2)(抜粋)
--取材協力:Madlin Mekelburg、Fiona Rutherford.
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Greg Stohr