[MOM1030]桐蔭横浜大FW笠井佳祐(4年)_暫定最多得点の大学トップストライカー、新潟内定組の対決へ
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [12.22 インカレ準々決勝 大阪学院大 1-5 桐蔭横浜大 栃木市総合運動公園陸上競技場] 【写真】「イケメン揃い」「目の保養すぎ」今季MVPの武藤嘉紀が豪華メンバーで会食 今大会7得点目を挙げ、準々決勝終了時点での最多スコアラーとなった。桐蔭横浜大FW笠井佳祐(4年=関東一高)は圧巻の4得点。25日の準決勝で対戦するのは、来季からアルビレックス新潟でともに戦う同期・東洋大DF稲村隼翔(4年=前橋育英高)だ。笠井は「次は稲村なので。またゴールでチームを勝たせられるように。すごく楽しみ」と笑顔を見せた。 前半13分に先制を許した桐蔭大だったが、前半の間に笠井がひっくり返した。前半25分、MF落合遥斗(4年=桐生一高)の縦パスを受け、冷静に右足シュートを決める。さらに39分には右サイドからMF遠藤貴成(4年=東福岡高/横浜FC内定)がクロス。「これはニアに行ったら入る」(笠井)。鋭い嗅覚でボールに反応し、自身2点目で2-1と逆転した。 「前半で取れたのはでかかった」。そう語る笠井は後半5分にFW渡邊啓吾(4年=旭川実高/湘南内定)のアシストを受けてハットトリックを達成。2020年度の高校サッカー選手権1回戦・山辺高戦(○4-0)以来となる自身2度目のハットトリックとなった。「意外と2得点は取ったけど、なかなかハットトリックはできなかった」。しかし、笠井のゴールラッシュはまだ止まらない。 後半9分、右CKをMF池田柚生(3年=広島ユース)が蹴り、ニアサイドの渡邊がフリック。「啓吾が絶対あそこで逸らしてくれる。僕はマークを外して、信じてあそこに入るといつもボールが来る」。ファーサイドに流れたボールを笠井がヘディングシュート。阿吽の呼吸で生まれた好連係で、笠井のサッカーキャリア最多となる1試合4ゴールを挙げた。 3年生まではボランチを主戦場とした。それでも類まれな得点感覚は垣間見せており、2年前のインカレ決勝でも優勝に貢献するゴールを決めている。しかし、笠井にとって2年前の優勝は「(当時の)4年生に優勝させてもらった」。今年はFWに戻り、ゴールへの嗅覚は再び研ぎ澄まされた。最上級生の自覚とともに、今度は自らがチームを優勝に導く決意を語る。 「普段、安武(亨監督)さんに言い返したり、自分の意見を言っちゃったり。けっこうぶつかることが多いけど、見捨てずに指導していただいて僕の成長につなげてくれて、ここまでやってこれた。今年は自分が4年生として、最高学年として、このチームを優勝に導く。そして、安武さんをもう一度日本一にしたい。僕わがままで自分勝手なんで……育てるのは大変だったと思うんです(笑)。ずっと指導していただいて、ここまで来れた。最後は一緒に喜べたらいいなと思います」 大きな感謝は桐蔭大の系譜となっていく。後半43分の途中交代で笠井と代わったのはFW岡崎寅太郎(1年=川崎F U-18)。笠井は優しく微笑みながらピッチを出て、後輩を見送った。 23年プレミアリーグEAST得点王の肩書を持つルーキーはさっそくインカレ初ゴールを記録。「得点能力という部分はトラはすごく優れている。普段からいろいろ僕に聞いてきたり、いろいろアドバイスをしている関係性。そういう後輩が決めてくれるのは自分としてもすごくうれしかった」(笠井)。インカレ優勝の証人でもある笠井は、その財産を後輩につなげている。 頂点まであと2勝となった。その前に笠井にとって最高の戦いが控える。準決勝で対戦する東洋大の稲村は来季からともに戦う仲間。そして特別指定選手としてすでにJの舞台で先を行く存在でもある。「あれだけ活躍して、すごく悔しい部分と同期が活躍してうれしい部分」。関東大学リーグでは1勝1敗とイーブン。優勝を目指す戦いとは異なる、プライドを懸けた戦いだ。 「イナムにはいい刺激をもらっているんで、やっぱり最後に直接対決で勝ちたい」。予選ラウンド2得点、グループリーグ1得点、そして今回の4得点で、現時点での今大会最多7得点を記録。笠井は大学屈指のストライカーとして、Jの舞台で実力を示した同期に戦いを挑む。