EVの日産GT-R、全固体電池を採用か 2028年に次世代「スポーツカー」導入の可能性
技術が成熟すればコストは下がる
日産自動車が開発を進める全固体電池は、次世代のスポーツカーに大きな恩恵を与えることになるかもしれない。 【写真】コンセプトだけで終わらないで! 次世代電動スポーツカー【日産ハイパーフォース・コンセプト】 (19枚) 日産は現在、横浜の工場で全固体電池のパイロット生産ラインを建設中で、2028年までにこの電池を使った量産EVの発売を目標としている。 全固体電池は、EV技術を大きく飛躍させる可能性を秘めている。密度が高く、高度な技術構成により、現在のリチウムイオンバッテリーに比べてはるかに長い航続距離と高速充電が可能になる。 どのようなクルマに全固体電池が採用されるかについて、日産の商品企画担当の専務執行役員であるイヴァン・エスピノーサ氏は、「半分のスペースで同じだけのエネルギーをパッケージできるので、さまざまなことが想像できます。スポーツカーなどにも簡単に応用できます」とAUTOCARの取材で語った。 エスピノーサ氏は「コストについて話す準備はできていない」としながらも、「当初は高くつくかもしれない」ことは認めた。 「しかし、技術が成熟すればコストは下がるでしょう。密度が高いので、必要なバッテリー1個あたりの材料は少なくて済みます。そのため、全体的なコストは競争力があるはずです」 全固体電池は、日産GT-Rの電動後継車である「ハイパーフォース・コンセプト」の量産モデルで最初に搭載される可能性が高い。 タイトにパッケージされたフラッグシップモデルは、この技術を導入するのに最適だとエスピノーサ氏は示唆する。 「小型車にも導入可能で、軽自動車に搭載したり、あるいは大型SUVでキャビンスペースを最大限に活用したりすることもできます」とエスピノーサ氏は付け加えた。
ジェームス・アトウッド(執筆) 林汰久也(翻訳)