テニスのパリ五輪代表、けがや病気での辞退がなければ男子の錦織圭、女子の大坂なおみは当確
【パリ10日=吉松忠弘】パリ五輪の代表が決まるテニスの最新世界ランキングが10日に発表され、男子では元世界ランキング4位の錦織圭(ユニクロ)、4大大会4度の優勝で女子の大坂なおみ(フリー)は、病気やけがでの辞退がない限り、代表入りはほぼ当確になった。2人とも、けがや出産などで長期離脱したことへの救済措置として適用される公傷ランキングで、五輪にエントリーした。錦織は世界48位、大坂は同46位だ。 男女シングルスの1か国および地域の最大出場人数は各4人。最新ランクで、辞退者や公傷ランキングの選手数を考慮せず計算した場合、代表可能なカットラインは男子が68位、女子が75位となる。辞退者が出た場合はカットラインは下がりやすく、公傷ランクを使用する選手がいた場合は上がりやすい。それでも、錦織の48位、大坂の46位は十分に圏内だ。 他の日本選手では、女子の内島萌夏(安藤証券)が世界76位だ。現在のカットラインが75位で、目の前で切られたことになる。しかし、辞退者や公傷ランク適用選手の数によっては、代表入りする可能性も残されている。残りの日本選手は、男子が世界84位のダニエル太郎(エイブル)、女子の日比野菜緒(ブラス)が世界95位。そこまでカットラインが下がってくるかどうかは微妙だ。 ただ、テニスの高田充パリ五輪代表監督は「意外に欠場者が出るのではという情報もある」という。現在、全仏の赤土が終了し、7月1日開幕のウィンブルドンに向けて、テニス界は芝のシーズンに入る。その後、また赤土での五輪がある。最も球足が遅い赤土と、速い芝の変化への適応が難しいため、五輪を避ける選手がいるということだ。 錦織と大坂は、出場条件のひとつである国別対抗戦の代表数を満たしていない。しかし、それも、川廷尚弘国際テニス連盟理事によると「けがや出産などが会議で考慮された」と、問題にされない方向とのことだ。また、ロシアとベラルーシは、個人資格での出場となる。矛盾するが、世界ランクでの出場権は、ロシアとベラルーシの選手として人数計算される。
報知新聞社