大阪経済大・林投手

◇１６日　関西六大学野球秋季リーグ戦　大阪経済大１―２　大阪商業大（大津市・マイネットスタジアム皇子山） 　大阪経済大は、今秋ドラフト候補に挙がる最速１５１キロ右腕のエース、林翔大投手（京都・乙訓、４年）が１点を守り切れず、逆転サヨナラ負けで２００７年秋以来１７年ぶりの優勝を逃した。

サヨナラ負けを喫してうずくまる大阪経済大・林投手

　勝ったほうが優勝の大一番。大経大は９回に均衡を破り、１点リードで９回裏の守りを迎えた。先頭に左前安打されたあと死球で無死一、二塁。主砲の渡部の送りバントは思いも寄らなかったという。次打者で今秋４本塁打の春山陽登右翼手（２年・敦賀気比）は三ゴロに打ち取ったが、本塁送球を捕手が落球して同点。そのあと２死までこぎつけたものの、代打の蜷川大捕手（３年・広陵）に左前へサヨナラ安打を浴びるとマウンド付近で崩れ落ちた。涙が止まらず、しばらくは立ち上がれなかった。 　「自分が９回を抑えられなかったので、チームに申し訳ないという気持ちが強いですね」 　普段から力まないことを注意してきたが、さすがに９回は優勝を意識した。球速は序盤、中盤の１４０キロ前後よりも速くなり、球場表示で１４６キロ。余力もあったが力みが制球を狂わせ、最後は高めに浮いた。 　「体は勝手に力が入って…。自分のなかで調整しようと思ったんですが、調整しきれず終わったんで悔しいですね」 　林は乙訓高（京都）で甲子園出場はなく、大経大では２年春に３勝を挙げてベストナイン、新人賞にあたる平古場賞を獲得。今春は３勝無敗の防御率０・９４。今秋は７勝（１敗）の防御率１・１７で、リーグ通算２０勝を達成した。 　大学ラストシーズンは、体調不良のため指揮を執れなかった高代延博監督に優勝の報を届けることができず、神宮のマウンドには一度も立つことはできなかった。 　「チームを勝たせられなかったので、上の世界ではチームを勝たせられるような投手になりたいです」 　高代監督からは自身の投球はフライアウトがバロメーターになると教えられた。その教えを生かせる舞台へ、２４日のドラフト会議を待つばかりだ。