三原じゅん子議員、武豊騎手…著名人の相次ぐ窃盗被害発生、元刑事が防犯対策を解説
著名人が盗難被害に遭う事件が相次いだ。自民党の三原じゅん子参院議員(59)が横浜市内の自宅駐車場から自家用車を盗まれ、競馬の武豊騎手(55)は京都市内の自宅から総額数百万円規模とみられる盗難被害に遭った。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は5日、デイリースポーツの取材に対して防犯対策を解説した。 三原氏の事務所などによると、同氏は2日午後5時ごろ車で帰宅。3日昼、外出する際に車がなくなっていることに気付き、神奈川県警に被害届けを出した。県警が窃盗容疑で捜査している。 三原氏が盗まれた自家用車はトヨタ自動車の高級SUV「ランドクルーザー」だったという。 小川氏は、スマートキーの仕組みを悪用する車両窃盗の手口「リレーアタック」による犯行の可能性を指摘。リレーアタックとは、2、3人の複数犯によって行われ、1人が車の電波を増幅して送信し、もう1人がスマートキーが保管されている玄関先から鍵に電波を中継。3人目がサポートするというリレー形式で行われるという。 同氏は「電波を遮断する専用ポーチなどに鍵を入れておくこと。また、鍵を玄関先に置くのではなく、外から微弱電波を拾えないくらいの家の中の場所に置くことも有効です。さらに、ハンドルロックとかタイヤ止め、他の車を前に止める等、盗むのに手間がかかることをしておくのもいい。また、最近は自宅というより、レストランなどで食事中に駐車場から盗まれるケースも増えてきている。リレーアタックはどこでもできる。外出先でも車から離れる時は注意が必要」と解説した。 その上で、小川氏は「人気のあるランドクルーザーを購入する時は窃盗で狙われやすいので、いろんな注意があると思うのですが、三原さんは忙しい方なので、どなたかが代わりに注意を聞いていて、それがちゃんと伝わっていなかったのではないか」と推測した。 では、盗難車はどこに運ばれたのだろうか。 小川氏は「盗まれた車はそのまま、窃盗犯の組織がやっている非正規の解体工場に持って行き、部品をばらすことが多い。その後、ランドクルーザーの人気が高い中東など海外へ運ばれて組み立て直します。車両で送ると税金がかかるが、ばらした車両部品で送ると安いので、他の車の部品と混ぜて、番号をふって何回も送り、そこから1台の車を組み立てて販売するというルートになっている」と説明した。 一方、武氏は京都市左京区の自宅で、トートバッグなど22点計75万円相当の盗難被害に遭っていたことが分かった。 京都府警によると、3月23日深夜から翌日早朝の間に盗まれたとみられ、当時在宅中の人が物音に気づいて110番した。他に高級腕時計や貴金属類、現金も盗まれたとみられ、被害は少なくとも数百万円規模の可能性があるという。窓ガラスが割られており、府警は周辺の防犯カメラの映像から複数人による窃盗事件の可能性があるとみて捜査している。 小川氏は「空き巣と言うより、忍び込みの手口。だが、防犯カメラ等には複数人が映っている。通常、忍び込みで複数犯が入るということはまずあり得ない。ということを考えると、この家が著名人の自宅だと分かって盗みに入っていると思われる。今後、著名人宅を狙った、こういった手口が増えてくる可能性も考えられる」と指摘した。 防犯対策として、同氏は「泥棒が嫌いなものは『目』と『光』と『音』です。『目』は防犯カメラも含まれます。『光』は夜間に光る防犯センサーライト、昼間は効果がないように思われるが、センサーライトを設置していることで、防犯意識が高い住宅と思われ、侵入を控えることも多い。『音』は侵入時に鳴る防犯ベルや防犯砂利等も有効です。また、自宅を不在にしている時は、警備会社の機械警備を契約している自宅が多いが、在宅時にはセキュリティーを解除するので、そこを狙われた可能性が高い」と解説した。