『プリシラ』エルヴィス色に染まるプリシラを映しだす本編チラ見せ&著名人から絶賛コメント続々
4月12日(金)より全国公開されるソフィア・コッポラ監督最新作『プリシラ』から本編映像の一部と、著名人からの絶賛コメントが解禁された。 【写真を見る】解禁となったシーンでは、プリシラがライフスタイルもファッションもエルヴィスの望みどおりに変わっていく様子が描かれる 本作はエルヴィス・プレスリーの元妻プリシラが1985年に出版した回想録「私のエルヴィス」をもとに、エルヴィスと恋に落ちる少女がたどる魅惑と波乱の日々を描く物語。主演のケイリー・スピーニーは、本作で第80回ベネチア国際映画祭最優秀女優賞を獲得したほか、第81回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートされるなど、恋の恍惚とせつなさを経験する少女の繊細な表情とたたずまいで表現している。 このたび解禁となったシーンは、プリシラが大邸宅グレースランドでエルヴィス(ジェイコブ・エロルディ)と暮らすようになり、ライフスタイルもファッションも彼の望みどおりに変わっていく様子が垣間見られる場面。ドレスを選んだあと、エルヴィスはプリシラに「黒髪にして、アイメイクはもっと濃く」と伝える。プリシラは笑顔でうなずき、髪を黒に染め、カールし、高く盛ったヘアスタイル、濃いアイメイクを施し、可憐な少女が恋人の望むスタイルへと変身を遂げる。 さらにこのシーンを印象的にみせるのがアメリカ、ボルチモアのエレクトロニック・アーティスト、ダン・ディーコンの曲「The Crystal Cat」。コッポラ監督作品といえば、音楽も物語を彩る重要な要素だが、本作の音楽は、監督の夫トーマス・マーズのポップロックバンド、フェニックスが担当。このほかにも、プリシラのテーマ曲となったフランキー・アヴァロン「ヴィーナス」や、ラモーンズの「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」、スペクトラムなど、当時の曲や最新の音楽も使いながら、スタイリッシュな世界観を作り上げた。 また公開に先駆けて本作を鑑賞した、小泉智貴 TOMO KOIZUMI(デザイナー)、MEGUMI(俳優、プロデューサー)、中里唯馬(ファッションデザイナー)、中野香織(服飾史家)、北村道子(スタイリスト、衣裳デザイナー)、山本浩未(ヘア&メイクアップアーティスト)、立田敦子(映画評論家)、東紗友美(映画ソムリエ)よりコメントが到着。各分野のエキスパートが本作の魅力について語っている。 時代を鮮やかに切り取りながら、少女の成長譚としてプリシラの半生を描く本作。ポップで洗練された映像を大きなスクリーンで体感してほしい。 ■<著名人コメント> ●小泉智貴 TOMO KOIZUMI(デザイナー) 「なんとなく知った気になっていたプリシラのストーリー。ソフィアのフィルターを通して観る誰もが夢みる展開は、ファッションやメイクなどあらゆるディテールへのこだわりで悪夢の場面ですら甘く美しい。変わりゆく時代とともに変わっていくプリシラの姿に、現代を生きぬく力をもらった」 ●MEGUMI(俳優、プロデューサー) 「世界中の女性の憧れの存在であったプリシラが、実は、私たちと同じような悩みや痛みを抱えていた事に驚きました。変化していくプリシラに、いつのまにか自分を重ね合わせ、ビターな経験が人を豊かにしていくのだと勇気をもらいました。ソフィア・コッポラさんの世界は相変わらず可愛いが詰まっていて本当に大好きです」 ●中里唯馬(ファッションデザイナー) 「誰もが憧れるロマンスの裏側には、移ろうプリシラの生々しい内面が美しくも儚く描かれる。この映画は、私たちに自らの人生を生きるとはなにかを問いかける」 ●中野香織(服飾史家) 「50年代の女学生服から60年代のビーハイブ黒髪とキャッツアイのポップクイーンスタイルを経て70年代の軽やかなプリント柄とデニムへ。14歳から27歳までのプリシラの変貌と心の揺れがファッションを通して繊細にせつなく映しだされる」 ●北村道子(スタイリスト、衣裳デザイナー) 「新人女優はソフィア・コッポラによって『映画』に出会う。『プリシラ』、この作品は1人の女優の成長映画かもしれない」 ●山本浩未(ヘア&メイクアップアーティスト) 「お伽話からアイライン、そして本当の自分へ。少女の夢の先の物語」 ●立田敦子(映画評論家) 「“愛している”だけでは続けられない。結婚における男と女の差異真理を鮮やかに切り取るソフィア・コッポラ版“マリッジ・ストーリー”スポットライトの影に佇む女性に寄り添い、その葛藤に共鳴するたおやかなまなざしに心を動かされる」 ●東紗友美(映画ソムリエ) 「きらびやかな世界のなかで際立つプリシラの孤独。空っぽのまま過ぎていくスターとの恋の真実、その稀有な時間を追体験する。でもこれは夢物語じゃない。純真な少女が孤独と引き換えにタフな精神を手に入れる。誰しもに訪れるサナギから蝶になる過程を、60年代の空気とともにソフィアは美しく描き切った」 文/スズキヒロシ