あの横断幕は何? ノーベル平和賞・被団協の3人掲げる 「42年前」モチーフに長崎で制作
【オスロ=長崎新聞取材班】被爆者の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会」(被団協)のノーベル平和賞受賞を祝うパレードが10日夜(日本時間11日未明)、ノルウェーの首都オスロで開催され、代表委員3人が宿泊するホテルのバルコニーから市民に向けて1枚の横断幕を掲げた。被爆者の願いである「NO MORE HIBAKUSHA」が記され、現地に集った被爆者らが核兵器廃絶や平和への思いを寄せ書き。長崎新聞社が企画し、被団協の中心的組織である長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)と連携して作ったものだ。 横断幕は横1・8㍍、縦1・2㍍。被団協の折り鶴マークをあしらっている。長崎県内在住の被爆2世男性にデザイン協力を頼んだ。 デザインは、1982年に米国で開かれた第2回国連軍縮特別総会に合わせ、長崎被災協が制作した横断幕をイメージ。同総会には被団協が41人の代表団を派遣し、当時代表委員だった長崎の被爆者、山口仙二さん(2013年死去)が被爆者初の国連演説で「ノー・モア・ヒバクシャ」と訴えたことで知られる。 今回の横断幕には、授賞式でスピーチをした田中熙巳さん(92)、長崎被災協会長の田中重光さん(84)、広島県被団協理事長の箕牧智之さん(82)の3代表委員や被団協役員のほか、日本の非政府組織(NGO)が企画したツアーでオスロを訪れた被爆者らがメッセージを記している。 被団協代表団は12日朝に帰国の途に就き、日本時間の13日午前に羽田空港に到着予定。今後も寄せ書きを集め、完成後は被災協に寄贈する。 (メッセージの詳細は長崎新聞紙面で後日掲載)