九州のIC生産額が2年連続で1兆円超す…半導体の需要伸び単価が上昇傾向、10か月で突破
九州経済産業局が18日発表した10月のIC(集積回路)生産額は、前年同月比2・7%増の1284億円だった。半導体市況の好調を背景に4か月連続のプラスとなり、今年1~10月の合計生産額は1兆942億円と、年間ベースで2年続けて1兆円を超えた。 【動画】TSMC熊本工場で開所式…熊本県菊陽町
16年ぶりに年間で1兆円を超えた2023年(1兆1533億円)を上回る見通しで、過去最高だった00年(1兆3924億円)に迫る勢いとなっている。小型化や処理能力の向上といった付加価値の高い半導体の需要が伸びて単価が上昇傾向にあるためで、車載向けなどが好調を支えている。
一方、九州経産局は同日、10月の鉱工業動向も発表した。工場の稼働状況を示す生産指数(2020年=100、季節調整済み)は前月比0・9%低下の107・6と、3か月ぶりに下がった。
自動車を含む「輸送機械」など5業種が上昇したが、半導体製造装置といった「汎用・生産用・業務用機械」など8業種が低下した。生産の基調判断は「持ち直しの動きがみられる」と、前月のまま据え置いた。