中国、スロバキアとの緊密関係確認 EUと貿易対立下で
[北京 1日 ロイター] - 中国の習近平国家主席とスロバキアのフィツォ首相は1日、北京で首脳会談を行い、貿易・投資関係を強化することで一致した。共同声明では、両国がグリーン分野における開発で協力を深め、グリーン技術活用の機会を模索することで合意した。さらに、中国と中欧・東欧諸国との協力関係が、中国と欧州連合(EU)との関係を「有益に補完する」との認識も共有した。 中国国営新華社によると、習氏は新エネルギーや運輸・物流、インフラ建設などの分野でスロバキアと協力を強化していく意向を示した。 スロバキアは、中国やロシアなどEU以外との関係強化に動いている。フィツォ氏は、今回の訪問が中国との関係強化に向けた決意を示すものだと述べた。EU欧州委員会が中国製電気自動車(EV)に追加関税を課す決定をしたことを踏まえ、今回の訪問が「極めて重要になる」と述べていた。 スロバキアはEV用の電池工場建設に向けた投資をにらみ、中国への追加関税に反対したEU5カ国のうちの1つ。国内で輸出向けの自動車も生産しており、中国側の対抗措置に巻き込まれることを警戒している。 また、習氏は首脳会談で、スロバキアと国境を接するウクライナでの戦争で、和平交渉の前進に向けた取り組みを歓迎すると述べた。フィツォ氏は会談後、フェイスブックへの投稿で、中国はウクライナ紛争に関して「決定的な役割」を担う可能性があると述べた。 ハンガリーのオルバン首相と同様、フィツォ氏もウクライナに侵攻したロシアへの制裁には反対の立場で、EUの関連政策を批判している。