市中心部で初、親子150人 高岡ハートフェスタ カテーテル体験や講演、心臓病予防に関心
富山新聞文化センターの健康セミナー「高岡ハートフェスタ」は10日、富山新聞高岡会館で開かれた。高岡市南部の戸出地区で続いていたイベントで、今年は市中心部に会場を移した。例年の3倍となる約150人の親子らが参加し、医療体験やセミナーを通じて心臓病予防と地域医療に関心を高めた。 【写真】カテーテル治療体験をする子ども イベントは高岡みなみハートセンターみなみの杜病院の協力で2018年に始まり、昨年まで戸出コミュニティセンターを会場にしていた。 医療体験では、親子50組が医師から心臓の役割や、狭心症、心筋梗塞の手術に用いられるカテーテルの仕組みなどを学んだ。児童らは医師や臨床工学技士の手ほどきを受け、モニターを見ながら血管の模型にカテーテルとワイヤを通し、バルーンで血管を広げる作業を体験した。 医師になることを夢見る福光中部小5年の池田優月さんは「心臓のことがよく分かった。手術は面白かったけど難しかった」と振り返った。 処方箋に基づいて薬に見立てた菓子を分けたり、聴診器で臓器の音を聴いたりする体験コーナーや、経口補水液とせっけんをつくるブースもにぎわった。砺波北部小3年の水戸椋太郎さんは心臓手術を受けた弟の胸に聴診器を当て「元気に動いていた。お医者さんの仕事に興味が湧いた」と話した。 大人の健康講座では、センターの平瀬裕章理事長、循環器内科医師の栗田康寿さん、理学療法士の笹谷勇太さんが講演した。平瀬理事長は「忍び寄る心臓病の魔の手」と題し、心臓死の原因の半分を占めるという虚血性心疾患について説明した。発症の仕組みやメタボリック症候群が心臓病のリスクを1・8倍に高めることなどを伝え、日頃の予防の大切さを呼び掛けた。 理学療法士による運動指導教室や、歩行能力や血圧をチェックする健康診断コーナーも人気を集めた。