斎藤元彦氏の兵庫県知事返り咲きで、本人に「謝罪した元市長」と「批判し続ける元府知事」
「サイトー! サイトー!」 兵庫県知事選の投開票が行われた11月17日の夜、当選確実となった斎藤元彦氏の選挙事務所前で、支援者たちが歓喜の声を挙げた。 【写真】謝罪する元市長と、批判を続ける元府知事の投稿
SNSの投稿で斎藤氏の風向きが一変
2024年3月、斎藤氏に関する怪文書が出回り“パワハラ”や“おねだり”疑惑が噴出。県職員2名が亡くなる事態に発展し、斎藤氏は百条委員会で追及を受けた。9月には県議すべてが賛成を投じた不信任案が可決。斎藤氏は出直し選挙に臨んだ。 「テレビや新聞でさんざん叩かれており、さすがに再当選は厳しいと思われていました。しかし、SNSで斎藤氏の実績を評価する投稿が出てきたことで、風向きは一変します。斎藤氏の街頭演説を聞きに来る人が増え続け、最終日に大勢の聴衆が囲んだ姿は圧巻でした」(スポーツ紙記者) 斎藤氏は街頭演説で、こう訴えていた。 「70万円の学校のプールの修理費が出せなかった兵庫県政。一方で1000億円を超える県庁舎を立て替えようとしていた。65歳以上のOBの天下りも、漫然と続けようとしていた。70万円のプール修理費が出せない兵庫県政に戻してはダメなんです!」 県政の腐敗を訴えて、県民からの支持を得た。 「SNSでは、斎藤氏を擁護する真偽不明の言説が飛び交っていました。県民の多くは、SNSの情報を信じたということなのでしょう。情報番組でMCを務める宮根誠司さんは、SNSの影響による有権者の投票行動を受けて“大手メディアの敗北ですね”と語っていました」(前出・スポーツ紙記者) テレビや新聞などは、再三にわたって斎藤氏の疑惑を追及してきた。
番組に出演したコメンテーターも、それに便乗するかのように批判をしていた。
「老害になり果てた橋下徹は見たくなかった」
今回の再選を受け、斎藤氏を批判していた元兵庫県明石市長の泉房穂(いずみ・ふさほ)氏は、コメンテーターとして出演した11月17日放送の『Mr.サンデー』で、 「私、一面的な見方でかなり厳しいトーンで対応してきたことにつきまして、今回の民意を見て、私自身も反省するところが多く、お詫び申し上げたいと思います」 と、番組の中継取材に応じた斎藤氏に直接、謝罪。Xにも同様の“お詫び”を投稿した。こうした泉氏にSNSでは、 《選挙前に謝るべき》 との意見がある中で、 《さまざまな立場がある中、潔い謝罪。見直しました》 《テレビで、しかも本人を前に非を認めるのは本当に勇気がいる事。明石市民として泉さんを支持していた身としては、本当に嬉しかった》 と称賛する声も。 一方、元大阪府知事の橋下徹氏はXで、 《僕は引き続き斎藤さんは権力者として不適格であることを主張し続けます》 と投稿したうえで、その理由について、長文を綴った。 「橋下さんは、怪文書が出回った際に公益通報を認めず、犯人探しをしたこと、怪文書を作成した県職員の退職を取り消して懲戒処分をしたことなどを挙げ、恐ろしい権力の使い方だと批判しています。これに加え、メディアの報道内容の問題、泉氏の発言などについても触れ、批判しています」(前出・スポーツ紙記者) 《兵庫県民の民意は非常に思い(※原文ママ)》と投稿している橋下氏だが、斎藤氏を批判し続ける姿に、こんな声が飛び出している。 《民意を尊重できない老害になり果てた橋下徹は見たくなかったわ》 《民意を蔑ろにする橋下さんにはガッカリです。以前はどんな結果になろうと民意を尊重していたのに》 《大阪市長時代、公明党が都構想反対に転じたから辞職して出直し選挙をしたから、これが民意だと胸を張っていた。選挙の民意は重いと言っていたのは橋下本人だ》 2015年に“大阪都構想”が住民投票で否決されると、橋下氏は会見で、 「僕が打ち出した都構想。受け入れられなかったことは、間違っていたんでしょうね」 と民意を汲めなかったと語り、政界をスッパリ引退した経緯がある。 橋下氏は投稿した長文の中で、 《その民意に対して意見を言っていくこともコメンテーターとしての仕事だと思っています》 とも記している。兵庫県民だけでなく、日本中が注目する中で再び知事となった斎藤氏の手腕が問われる。