つぼみ芸人『深夜のハチミツ』で初の挫折…「爪あとを残したい」モシモシいけが100kmサバイバルマラソンにかける想い
「スベっても死なない」パンサー尾形さんに言われた言葉
ハチミツの収録を何度か終えて、何もできていなかった僕含めモシモシは、3人で会議をしました。 出会ってから10年以上の付き合いになるけど、モシモシ史上、一番腹を割って話し合った機会だったと思います。 トリオとして、個人として、成長させないといけない部分をはっきりさせました。 僕はとにかく、根を張ることから始めました。 まずは、普段のライブの姿勢から見直そうと。 ネタではないほかの部分で、ウケる・スベる関係なしに、一回でいいから前に出ようと。恥ずかしい話ですが、そこから始めるしかなかったのです。 それでもひるんで一歩が出ないときがあります。そんなときは、ふたつの言葉を自分に言い聞かせます。 「どうせ死ぬなら、前のめりに死のう」 これはモシモシ会議の際に、メンバーのまぐろが言った言葉です。おそらく坂本龍馬の言葉を引用したものだと思います。ヒヨって背中から倒れるのではなく、立ち向かって前に倒れよう。 「大丈夫、スベっても死なない」 これは僕らが以前、『有吉の壁』に出演させていただいた際に、緊張で固まる僕たちを見て、パンサーの尾形さんにかけていただいた言葉です。本人からしたらサラッと何気なく出た言葉かもしれませんが、僕にとっては宝物のような言葉です。 このふたつの言葉をお守りに、 環境やまわりのせいにするのではなく、常に自分に矢印を向けて、とにかく立ち向かう。 細くてもいいから強い根を生やす日々が始まりました。
「100kmサバイバルマラソン」で、番組への恩を返したい
『深夜のハチミツ』は、2年目に突入し、『深夜のハチミツ!! Bee The TOP』にリニューアル。 組数が8組になり、2カ月に1度、下位2組が新メンバーに入れ替わるという、 レギュラーをかけたサバイバルバラエティになりました。 僕らは初めの8組に入ることができなかったので、昇格2組の座を争う、「新レギュラー決定ライブ」にまわることになりました。 これまでの僕だったら、このライブはネタだけしっかりやって、ほかは穏便に終わらそう、そう思っていたかもしれません。 でもこの日の僕は、どう表現したらいいかわからないけど、なんかすごくよかったのです。 ウケたなんておこがましくて言えないけど、少しだけ、うっすらと、輝けた?瞬けた?気がします。 根を張る日々が、少しだけ報われたかもと思えた瞬間でした。 僕らモシモシは、6月から新レギュラーになりました。 リニューアル後の『深夜のハチミツ』は、組数が8組になったこともあり、 今まで以上に、個人に求められるものが大きくなってきます。 今は正直、番組に貢献できているとはいえません。僕に何ができるのか、僕なりに貢献できることはなんなのか、また考え、根を張る日々の始まりです。 そんななかで、『27時間テレビ』の「100kmサバイバルマラソン」への出場が決まりました。 僕が、いけが、『ハチミツ』メンバーを代表して、あの『27時間テレビ』で走るのです。 こんな未来、想像もしていませんでした。 でも僕が1秒でも長く走り、1秒でも長くテレビに映れば、番組のためになれるかもしれない。 今の僕が番組に貢献できること、それはボケでもなく、ツッコミでもなく、ガヤでもなくロケでもなく、“ラン”なのです。 もちろん僕も芸人として成長しなければいけません。味はどうあれ、立派な実をつけなければいけません。 ただ、まずはいったん、ランで爪痕を残します。 そしていつか、『深夜のハチミツ』がものすごくでかくなったとき、 ターニングポイントが「いけのラン」だと言ってもらえたら、この上ない幸せ。 「100kmサバイバルマラソン」は、 僕が成長するきっかけをくれた、『深夜のハチミツ』への感謝の100kmでもあるのです。
文=いけ(モシモシ)