「燃え尽き症候群」で引退→26年後に復帰、杉村太蔵44歳に聞いた「元国体王者が今テニスに打ち込むワケ」「現実を受け入れるのに時間が…」
現在、コメンテーターとしてテレビを中心に活躍する元衆議院議員の杉村太蔵さん。高校時代はテニス部に所属し、国体で優勝するほどの腕前を持つ杉村さんはバーンアウト(燃え尽き症候群)を経験し大学ではテニスを辞めたが、40代となったいま、競技に復帰している。なぜ再びテニスに打ち込むのか。本人に話を聞いた。(Number Web「私の部活時代」インタビュー全3回の第3回/初回はこちら) 【秘蔵写真】国体V当時の杉村太蔵くん「カ、カッコイイ…!」25年のブランクを経て、真剣に練習に取り組む今の姿とあわせて見る
1年生議員を「テニス」が救った
大学での引きこもり生活から清掃員、証券会社の雑用係を経て、一転して「センセイ」と呼ばれる立場になった杉村。当時は「お騒がせ議員」として、「念願のBMWが買える!」「料亭、行きてぇ!」など数々の放言を繰り返し、次の失言を期待する多くのメディアに常に取り囲まれていた。 そんな杉村を気遣ったのか、永田町の右も左もわからない彼のために、小泉純一郎首相を支えた飯島勲秘書官(当時)が各省庁からエース級の官僚を呼び寄せ、定期的に政策勉強会の機会を設けてくれた。 「後に事務次官になるようなエリートの方々が、『日本の財政事情』『農林水産行政の課題』などをレクチャーしてくれるんです。そして……なぜか不思議なことに、全員テニスが好きなんですよ」 杉村は「なぜか」と言うが、おそらく意図的な人選なのだろう。こうして、エリート官僚たちと杉村議員は「テニス」という共通項で結ばれ、週末にはラケットを手にコートに集い汗を流した。 「政策のことを一方的に教わる立場だったから、『今度、テニスを教えてください』と言われたら喜んで応じました。それに、テニスコートの中だったら私が先生になれるんです(笑)。このときばかりは、テニスに救われましたね」 テニスで栄光をつかみ、テニスで奈落の底に突き落とされ、また今度はテニスが身を助ける――コートの上で前後左右に振り回されるように、よくも悪くもテニスというスポーツに翻弄される。それが杉村太蔵の人生なのだろう。
【関連記事】
- 【「国体優勝」編】じつはテニスで国体優勝、杉村太蔵が語る伝説の「北海道で敵なし」現役時代…名門・柳川監督からのスカウトを辞退「柳川で日本一は当たり前です」
- 【前回】高校3年で日本一→筑波大に推薦入学も引退&中退…杉村太蔵はなぜテニスを続けなかった?「大学6年間は何ひとついい思い出がない」
- 【秘蔵写真】国体V当時の杉村太蔵くん「カ、カッコイイ…!」25年のブランクを経て、真剣に練習に取り組む今の姿とあわせて見る
- 【37歳でも一時挑戦】オークランドで繰り広げられた、 “テニス選手”杉村太蔵、37歳の熱戦。
- 【消えた天才少女】世界1位のまま25歳で突如引退、全盛期の世界女王はなぜテニス界を去った?「記者会見に赤ちゃん同伴」“天才少女”アシュリー・バーティの今