英賃金上昇率、7─9月は前年比+4.8% 約2年ぶり低い伸び
[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した7─9月の賃金上昇率はボーナスを除くベースで前年同期比4.8%だった。2022年6月以来約2年ぶりの低い伸び。 イングランド銀行(英中央銀行)が先週公表した予測と一致した。ロイターがまとめた市場予想は4.7%だった。 中銀内でインフレ圧力の低下が続くとの見方が強まる可能性がある。 民間部門の賃金上昇率(ボーナス除く)も4.8%で、中銀の予測通りだった。 求人数は21年5月以来の低水準。労働市場が軟化していることが一段と浮き彫りになった。 統計発表を受け、ポンドは対ドルで8月中旬以来の安値となる1ポンド=1.28ドル付近まで値下がりした。 コンサルティング会社キャピタル・エコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は「民間部門のボーナス除く賃金上昇率が鈍化しており、中銀は緩やかな利下げを継続するだろう」とし、12月は利下げを見送り、来年2月に利下げを実施するとの見方を示した。 中銀は7日、政策金利を5%から4.75%に引き下げることを決定。2020年以降で2度目となる利下げで、新政権による初の予算案によるインフレ上昇や経済成長見通しを受け、今後の利下げは緩やかなものになるとの見方を示した。