【ミリタリーブリーフィング】中国軍、腐敗清算の中でも…米国「中国に核弾頭600個、2030年には1000個」(1)
米議会の要求で米国防総省が毎年発表する中国軍年次報告書の最新版が発表された。2023年の活動を扱った最新の報告書は、中国が慢性的な軍部腐敗にもかかわらず核・ミサイル戦力を増強していると明らかにした。報告書は中国が核と通常兵器の弾頭を搭載できる弾道ミサイル3100発と核弾頭600個を保有していると評価した。 <1>「中国軍、腐敗清算中にも核・ミサイル戦力増強」 12月18日(以下、現地時間)、米国防総省は議会の要求に基づき、中国の軍事および安全保障発展に関する年次報告書を発表した。報告書は中国軍が景気沈滞と腐敗による粛清が続く中でも核と通常兵器を引き続き増やしていると明らかにした。2023年の活動を扱った今回の報告書は、中国軍の武器開発や戦略に関する新しい内容はなかったが、中国の軍事活動に対する米国政府の観点が分かる資料という評価だ。 米国防総省の関係者は報告書発表を控えた12月16日、記者らに2023年下半期だけで少なくとも15人の軍幹部と防衛産業関連企業の幹部が腐敗容疑で職位解除されたと明らかにしたが、一部は中国の地上基盤の核および通常ミサイル現代化に関連したプロジェクトを監督していた。 中国軍は慢性的な腐敗問題解決に困難がある中でも核・通常戦力を増強している。報告書は中国軍が2030年までに1000個の核弾頭を保有するという計画を順調に進め、2024年半ば基準で約600個を備蓄したと評価した。これは昨年の報告書で評価した500個より100個多い。 弾道ミサイル戦力も増やしている。報告書は中国ロケット軍が3100発の弾道ミサイルを保有していると明らかにした。DF-15、DF-16など短距離弾道ミサイル(SRBM)900発、DF-17、DF-21など準中距離弾道ミサイル(MRBM)1300発、DF-26など中距離弾道ミサイル(IRBM)500発、そしてDF-5(CSS-4)、DF-31(CSS-10)、DF-41(CSS-20)など大陸間弾道ミサイル(ICBM)は400発にのぼる。このほかCJ-10、CJ-1000など地上発射巡航ミサイルも400発を保有している。 報告書は中国ロケット軍が最小300個のサイロがある3カ所の固体推進ICBMサイロ団地を建設し、一部はすでにミサイルで埋まっていると明らかにした。中国ロケット軍は多弾頭各個目標設定再突入飛行体(MIRV)を搭載した新しいICBMを開発中で、このためには追加の核弾頭が必要とみている。このほか衛星イメージ分析によれば、2023年から2024年の間に少なくとも72両のDF-26用TELが組み立てられると予想した。 <2>GAO、米海軍が巡洋艦の寿命延長に18億4000万ドル浪費と指摘 米政府会計検査院(GAO)は新しい報告書で、これまで多様な事業の管理に失敗して米議会から叱責を受けてきた米海軍が今度はタイコンデロガ級巡洋艦の寿命を5年追加延長する事業で18億4000万ドル(約2880億円)を浪費したと批判した。 2012年に米海軍が計画寿命を迎える前に7隻の巡洋艦を退役させると提案したが、米議会が拒否した。2015年に米海軍は10年間に11隻の巡洋艦を改造する計画を推進したが、2017年までに7隻に縮小した。しかし7隻のうち修理および改造作業に18億400万ドルを支出した「USSヒュー・シティ」(CG-66)など4隻が再配備されず退役した。「USSチョーシン」など残りの3隻は2015年から2023年まで37億ドルを投入して寿命を延長したが、報告書は計画された5年の寿命延長を達成できないと明らかにした。 GAOはその原因について100人以上の海軍関係者にインタビューし、次のような問題を発見した。 海軍は巡航艦現代化作業のための核心プログラム計画および監督道具と文書(取得戦略、独立的費用推算、リスク管理計画、基準ライン、海軍プログラム監督会議など)を開発しなかった。 巡航艦現代化作業の過程で品質が低い作業が広範囲に発生したにもかかわらず、海上システム司令部(NAVSEA)指揮部は地域整備センター(RMC)と契約担当者が産業基盤を維持して船舶修理業界と前向きな協力関係を維持するために核心の品質保証道具を完全に使用できないよう妨害した。 海軍は巡洋艦現代化のために20億ドル以上の調達資金を投入したが、獲得プログラムではないため、主要機能獲得経路に基づく高額主要国防獲得プログラムの典型的な計画および監督道具を具現しなかった。 GAOの報告書はNAVSEAはNAVSEA21に今後、大規模な現代化およびメンテナンス作業に、獲得プログラムに使われる計画および監督道具を適用するよう要求する点と、主要現代化作業のために艦船の所有権を艦隊からNAVSEAに移転してはならないという点を含め、海軍に6つの点を勧告した。 報告書は巡洋艦現代化努力を回復させるにはあまりにも遅れたが、重要な教訓を得ることができなければ海軍の他の艦艇類型に対する大規模な現代化努力を始める過程で海軍艦隊の未来にリスクを招きかねないという結論を出した。