映画のルールを脱ぎ捨てた“映画の裸体”、江本純子の監督作「愛の茶番」劇場公開
毛皮族主宰の江本純子が監督を務めた映画「愛の茶番 It Must Be Love」が、12月7日より東京・ユーロスペースで劇場公開される。 【画像】映画「愛の茶番 It Must Be Love」場面写真(他12件) 本作は、“観客と作り手の境界線を超えられるのか”を探求するべく制作された、江本による長編映画の第2弾。同作は今年、ブリュッセルインディペンデント映画祭や第19回大阪アジアン映画祭などで公開された。 劇中では、ある姉妹の確執を中心に、登場人物たちの数年にわたる恋愛関係の顛末が描かれる。波長の合わない姉妹・ルミとアキを遠藤留奈と冨手麻妙が演じるほか、菅原雪、岩瀬亮、吉川純広、藤田晃輔、美館智範、江本、加治屋彰人、丙次(田中祐希改め)、斎藤千晃、近藤茶、金子清文が出演する。シナリオ・監督・編集・製作を江本、音楽・挿入歌プロデュースをタカハシヒョウリ(オワリカラ)が担当。また劇伴音楽で、おおくぼけい(アーバンギャルド)が参加した。 本作について、タカハシは「街では服を着ないといけないし、浴場であっても赤の他人の裸体をジロジロ見てはいけません。映画にも暗黙のルールがあるはずです。でも、この映画はルールを脱ぎ捨て、街に走り出てしまいました。『愛の茶番』は、映画の裸体なのかもしれません。そして、あなたはこれをジロジロ見ても許されるのです。ぜひ、ジロジロ見ましょう」とコメントした。 ■ タカハシヒョウリ コメント そこには、ルールがあります。街では服を着ないといけないし、浴場であっても赤の他人の裸体をジロジロ見てはいけません。映画にも暗黙のルールがあるはずです。でも、この映画はルールを脱ぎ捨て、街に走り出てしまいました。「愛の茶番」は、映画の裸体なのかもしれません。そして、あなたはこれをジロジロ見ても許されるのです。ぜひ、ジロジロ見ましょう。タガが外れたようにフリーキーな「愛の茶番」、音楽にもフリーキーに向き合いました。出演者の即興詩アカペラから曲を作り、それは次第に形を変えて主題歌「あきらめキラリ」になりました。むき出しで無防備な何かを劇伴音楽で覆い隠してしまわないように、おおくぼけいさんのピアノ作品のみで構成しました。よろしくお願いします。 (c)“渇望”2024