看護師志望の娘が「一般病院」か「夜勤のないクリニック」で迷っているそうです。年収差はどれくらいあるのでしょうか?
看護師を目指している方のなかでは、勤務先を一般病院かクリニックかで迷う方もいるでしょう。一般病院とクリニックとでは働き方や仕事内容が異なるため、その分年収にも大きく影響しているようです。 そこで今回は、一般病院とクリニックの違いや年収、仕事内容について解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
一般病院とクリニックの違い
一般病院とクリニックではおもに以下の3つの違いがあげられます。 ●入院患者のベッド数 ●人員の配置基準 ●役割 まずは入院患者のベッド数に違いがあり、ベッド数が20床以上であれば病院、20床未満であればクリニックの扱いになります。さらに人員の配置基準も医療法に基づき定められており、一般病院の場合は医師や看護師、准看護師にくわえて歯科医師や薬剤師なども配置しなければいけません。 一方でクリニックの場合は、医師と看護師、准看護師、看護師補助者を配置する必要があります。 また、一般病院とクリニックとでは担っている役割も異なります。一般病院は通常の診療から重症患者や緊急搬送などの対応まで行い、専門医や医療設備が充実しているといえるでしょう。 クリニックは地域のかかりつけ医の役割が大きく、軽いけがや病気などの診療を行います。クリニックでは対応できない患者は医師から紹介状などを作成してもらい、一般病院に診療に行く流れが一般的です。
一般病院とクリニックの看護師の平均年収
令和5年に健康保険組合連合会が行った令和4年の調査結果によると、一般病院とクリニックで勤務する看護師の平均年収は以下の通りです。 ●一般病院の看護師の平均年収:521万円 ●クリニックの看護師の平均年収:400万円 どちらも令和3年よりも平均年収は数万円程度上昇しているようですが、一般病院で勤務する看護師のほうが121万円年収が高い結果がでています。 一般病院の方がクリニックよりも年収が高い理由としては、夜勤による手当が加算されるケースが多いためと考えられます。
一般病院の看護師の働き方や仕事内容
一般病院で勤務する看護師の働き方は、夜勤のある勤務形態がメインとなる可能性が高いです。おもにシフト制とされているケースが多いため、土日も祝日も関係なく働くことになるでしょう。 病棟や外来、救命などのさまざまな部署が存在し、所属する部署によって仕事内容が異なります。病棟では基本は24時間態勢で入院患者の看護がメインとされており、外来では診療の補助や予防接種などの注射業務も行います。救命センターでの仕事も24時間態勢という点は病棟と同じです。 しかし、急病や事故、災害などで運ばれてくる救急患者への対応が仕事内容となるため、病棟や外来看護師よりも幅広い知識と看護技術が求められるケースが多いようです。